e期日前投票
- 2017.10.30
- 情勢/解説
公明新聞:2017年10月28日(土)付
利用しやすい制度へ工夫重ねよ
貴重な1票を誰もが気持ちよく投じられるよう、さらに利便性を高めていきたい。
先の衆院選では期日前投票の利用者数が約2138万人に上り、過去最多を大幅に更新した。台風21号の襲来で投票日当日の悪天候が予想された影響が大きいが、期日前に投票した人が全有権者の2割を超えたことは、制度の定着を印象付けた。
背景には、低下傾向にある投票率を少しでも高めようと工夫を凝らしている各自治体の取り組みがある。
秋田県では、市町村が人の集まりやすい大型商業施設や駅前などに期日前投票所を設置。全投票者の半数以上が期日前投票を利用した。都道府県で期日前投票の割合が5割を超えたのは、2003年の制度開始以来、初めてだ。
大阪のベッドタウン・箕面市では、阪急箕面駅前に設置した期日前投票所の投票時間を朝、夜ともに2時間ずつ延長した。通勤・通学で同駅を利用する有権者のニーズを捉え、同投票所での期日前投票者は前回衆院選の2.6倍にも達した。
過疎地域も努力している。島根県浜田市は投票所が少ない山間部で、投票機材を載せたワゴン車の中で投票できる「移動期日前投票車」を運行。交通手段を持たない高齢者から「投票できてうれしい」などと歓迎されたという。
国は、こうした事例を積極的に周知し、各地の取り組みを後押ししてほしい。
期日前投票の利便性向上については、公明党の地方議員も尽力してきた。期日前投票に必要な宣誓書を投票所入場券の裏面に印刷するなどの取り組みは、公明党の推進で各地に広がっている。
今回、期日前投票を利用した有権者は、昨年の参院選と比べても500万人以上増加した。利用者が増えるほど新たな改善点も見つかろう。
地域に根差した公明党議員が先頭に立ち、投票しやすい環境づくりに取り組んでいく。例えば、宣誓書の一層の簡素化や投票所のバリアフリー化などに、利用者の意見を聞いてはどうか。
ライフスタイルの多様化で日曜日に投票するのが難しい有権者が増えている。「毎日が投票日」となるよう、さらに知恵を絞りたい。