eコラム「北斗七星」
- 2017.10.30
- 情勢/社会
公明新聞:2017年10月30日(月)付
今回の衆院選で野党第1党、第2党となったのは、それぞれ立憲民主党、希望の党だった。では前回はどうだったか。民主党と維新の党である。わずか3年で野党のツートップが代わるようでは、政権交代どころではない◆なぜ最近の野党は賞味期限が短いのか。杉田敦・法政大学教授は「日本政治の将来を考えると、その時々に急ごしらえの新党を待望するのではなく、普段からまともな野党を育てるという意識を有権者が持つ必要がある」(10月2日付「朝日」)と指摘する◆公明党が衆院に初めて進出したのは、50年前の第31回総選挙だった。当時の公明党は新党ではなかった。地方議会から参院へと政党としての地歩を着実に築いていた。とはいえ、1993年に連立政権に参画するまで野党だった◆しかし、単に反対するだけの野党ではなかった。与党に逆風が吹くのを待つだけの野党でもなかった。政策に磨きを掛け続け、実績を積み重ねていった。野党時代に政権担当能力を培っていたのである◆それを後押ししたのは、庶民の視点から政治を厳しくチェックする党員、支持者の存在だ。「まともな野党」を育てるには、政党と有権者を結ぶ何らかの回路が欠かせない。公明党には筋金入りのネットワークがある。その重要性は、与党となって一層増している。(幸)