e緩和ケア より身近に
- 2017.10.30
- 情勢/テクノロジー
公明新聞:2017年10月30日(月)付
がんの痛み、つらさ軽減へ 医師10万人が研修修了
がん患者の痛み、つらさを和らげる緩和ケアを受けやすい体制の整備が、公明党の後押しで進められている。今年7月末には、緩和ケアの研修を修了した医師が累計10万1019人となり、2007年に政府が掲げた「約10万人の医師に研修実施」との目標を突破。来年度には受講者の負担軽減や対象拡大など、研修内容が拡充される見通しだ。
緩和ケア研修は、がん診療連携拠点病院などが開催。講義だけでなく演習や討議も取り入れ、2日以上で計12時間以上かけて、医師が基本的な知識を身に付けることをめざしている。
修了者数の目標は、07年の第1期がん対策推進基本計画に基づく。同計画では、06年に公明党の主導で成立した、がん対策基本法で、緩和ケアが対策の柱に位置付けられたことから、がん診療に携わる全ての医師(推計約10万人)への研修を明記。これを受け、全国で研修が行われてきた。
その上で厚生労働省は、一層の研修の充実と緩和ケアに関わる医療従事者の裾野の拡大に向け、年内をめどに研修会の指針を改正する。公明党の推進で緩和ケアの強化などが盛り込まれた改正がん対策基本法(昨年12月成立)も踏まえたもので、来年4月から施行する。
新たな指針では、多忙な医師が受講しやすいよう、インターネットを利用して学ぶ「eラーニング」を講義部分に導入。受講者が集まる研修は「5時間半以上」とする。
拠点病院以外の医療機関での緩和ケア充実をめざし、在宅療養支援診療所などの医師の受講を促すほか、チーム医療を進める観点から看護師、薬剤師なども研修対象者として明確化。心臓の病気など、がん以外での緩和ケアも推進する。
患者の"癒やし"公明が光
東京大学医学部付属病院放射線治療部門長 中川恵一 准教授
10万人の研修修了は素晴らしいことだ。患者にとっては、緩和ケアをより受けやすくなるだろう。これまで医師は「治癒」のうち、"治す"ことばかりにとらわれて"癒やす"ことがおろそかになっていた。
しかし、痛みなどの症状を取り除くことは医療の基本だ。医師がその基本に立ち返るという意味でも、研修の意義は大きい。
がん対策は公明党が一貫してリードしてきた。その中で緩和ケアに光を当てたのは公明党の慧眼だ。今後も大いに期待している。