e中小の「働き方改革」後押し
- 2017.10.31
- 情勢/経済
公明新聞:2017年10月31日(火)付
47都道府県に支援拠点
「時間外」減、休日増加の企業へ最大200万円助成
公明提案で概算要求
厚生労働省と中小企業庁は来年度から、公明党の提案を踏まえ、中小企業・小規模事業者の働き方改革に対する支援を強化していく。来年度予算の概算要求に相談支援体制の強化(124億円)や社内環境の整備に対する支援(917億円)を計上した。
中小の「働き方改革」主な支援策
●47都道府県に「支援センター」新設
●就業規則見直しなどへの助成拡充
●同一労働同一賃金へマニュアルの作成
●「不合理な待遇差」に関する相談支援
●「正社員化」や処遇改善への助成充実
働き方改革について政府は、時間外労働の罰則付き上限規制や非正規雇用労働者の処遇を改善する「同一労働同一賃金」などを柱とする法案を取りまとめており、国会に提出する方針だが、中小企業・小規模事業者がすべて自力で対応することは難しいと見られる。
そこで、全都道府県に「働き方改革推進支援センター(仮称)」を新設し、労務管理など専門家による個別相談支援などを行う。
時間外労働の上限規制などに対応するため、就業規則の見直しやタイムカードの導入などを行う中小企業に対する助成も拡充させる。例えば、時間外労働を削減し、休日を増やした企業に最大200万円の助成を行うこととしており、現行制度での助成額である最大50万円から大幅に拡充させる。
非正規雇用労働者の待遇改善に向けては、各企業が待遇の点検などを行い、「同一労働同一賃金」を導入していけるようにするための「マニュアル」を作成。厚労省の出先機関である都道府県労働局では、正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇差に関する相談支援を行う。非正規からの正社員化や処遇改善を実施した事業主への助成も充実させる。
"現場の声"生かしていく
党働き方改革実現推進本部長 石田祝稔 政務調査会長
働き方改革の成否は、わが国の雇用の7割を占める中小企業・小規模事業者で取り組みが進むかどうかにかかっている。今回、党推進本部の提言や厚生労働部会の概算要求に向けた要望を反映する形で、厚労省などの概算要求には、中小企業・小規模事業者に焦点を当てた支援策が盛り込まれた。評価したい。予算確保に尽力していく。
厳しい経営環境に置かれている中小企業・小規模事業者にとって、働き方改革の実行は大きな決断であり、乗り越えなければならない課題も多いので、国の支援が必要だ。同時に、働く人の利益は、しっかりと守っていかなければならない。だからこそ、公明党は国会議員と地方議員が連携して"現場の声"を聞きながら、それを施策に生かしていけるよう引き続き尽力していく。