eコラム「北斗七星」
- 2017.11.01
- 情勢/社会
公明新聞:2017年11月1日(水)付
「幸せですか」との問いに、あなたはどう答えますか。ちなみに国連が毎年行っている幸福度ランキングで日本は今年、155カ国中51位。時間に追われ、忙しい日々を送るこの国の人々は、この順位をどうみるか◆幸せを感じるモノサシは、かけがえのない家族、友人の存在から資産・財産などさまざまあろう。あえて共通項を挙げれば、その人の心が満たされているか、ということか◆経済学者・大竹文雄氏の指摘は興味深い。著書「競争社会の歩き方」で、米国の経済学者による研究成果を通して、どのような時に人間の幸福度が上がるのかを説明している◆実験者にお金を渡し、片方のグループはそのお金で自分のために買い物をする、もう片方のグループには他人へのプレゼントか寄付に使ってもらう。その日の夜、実験者にそれぞれ幸福度を確認したところ、前者は変化なし、人のためにお金を使ったグループの幸福度はアップしていた。同氏は他の研究からも利他的行動と幸福度の関連性を強調していた◆きょうから国会が動き出す。政治には安心の未来を指し示す役目がある。我欲に走るなど論外。この国が抱える難問を解きほぐし、前に進めるために汗を流す。人のために行動することに幸せを感じる人々の代表であることを忘れず、仕事をしてほしい。(広)