e高齢運転者の安全確保を

  • 2017.11.06
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2017年11月3日(金)付



改正道交法から半年

「認知症の恐れ」3万人

医師の診断後 免許取り消しは674人



75歳以上の高齢ドライバーの認知症対策が強化された3月の改正道路交通法施行から9月末までの間に、運転免許更新時などの検査で3万170人が「認知症の恐れ」と判定され、うち医師の診断後に免許が取り消されたのは674人に上ることが2日、警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。

改正道交法では、75歳以上のドライバーが、免許更新時や一定の違反行為をした際に行われる認知機能検査で「認知症の恐れ」と判定された場合は、医師の診断を義務化。認知症と診断されれば免許取り消しの対象となる。

施行から半年余りで、受検者数は111万7876人。約2.7%に当たる3万170人が「認知症の恐れ」と判定された。うち9月末までに7673人が受診を終え、免許取り消しは674人、免許停止が23人だった。免許継続となったものの、原則6カ月後に改めて診断書提出を求められたのは4326人に上った。

受診前に免許を自主返納したのは6391人で、返納も受診もせずに失効となったのは1267人だった。

警察庁は、改正法施行後に年間約5万人が受診し、約1万5000人が取り消しなどの処分を受けると推計。担当者は、推計より少ないのは処分前の自主返納などが影響しているとみている。

認知機能検査は、その日の体調なども考慮し再受検が可能で、再受検で判定が改善したケースも4000人近くいた。

一方、1~9月の75歳以上の運転免許証の自主返納は約18万4900件で、昨年1年間の約16万2300件を上回り大幅増となった。


公明の主張で 相談窓口に看護師ら


公明党は、認知症などの不安を抱える高齢ドライバー本人や家族からの相談に医療系専門職員が対応する体制の整備を一貫して主張。今年5月時点で19都府県警察で、免許センターなどの相談窓口に看護師らが配置されている。

2016年3月の参院内閣委員会で山本香苗さんが、免許センターに医療系専門職員を配置している熊本県の取り組みを挙げ、全国展開を提案。これを受け、警察庁は警視庁や全国の警察本部に専門職員配置を求める通達を出していた。

高齢者が免許を自主返納しやすい環境整備に向けては、17年2月の衆院予算委員会分科会で中川康洋氏が、免許を返納した高齢者を対象に運賃を割引する三重県のバス会社の例を紹介し、こうした取り組みを国が支援するよう訴えた。

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