eコラム「北斗七星」

  • 2017.11.06
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年11月6日(月)付



日本と韓国の友好を深めようと2年に1度、ソウルから東京まで2000キロを歩くイベントがある。本紙でも何度か紹介した「21世紀の朝鮮通信使 友情ウオーク」。今年の春、6度目が開催され、日韓両国で2700人以上が参加。国籍や世代を超えた友好と理解の輪を広げた◆この活動のきっかけである江戸時代の朝鮮通信使の交流の記録がこのほど、ユネスコの世界記憶遺産に登録された◆通信使は江戸時代、朝鮮王朝から12回にわたって日本に派遣された外交使節。楽隊を従え、見知らぬ衣装に身を包んだ数百人の異国の使節をひと目見ようと、人々が集まり、熱狂的に歓迎したことだろう。沿道や宿舎で、通信使の一行と日本の庶民が交流した記録は今も各地に残る。"民間交流"の先駆けとも言えるだろう◆開催まで1000日を切り、いま東京五輪・パラリンピックの準備が急ピッチで進められている。大会では会場運営や国内外からの観客案内などに9万人ものボランティアの参加が予定されている◆募集は来年夏以降だが、すでに研修イベントには多くの参加者があるという。人と人との絆こそ平和への確かな支えだ。2020年の五輪・パラリンピックが、世界の人々と互いに理解を広げる世紀の友好交流の場として、多大な成果を残すことを期待したい。(千)

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