e日米首脳会談 両国の絆がアジア安定に不可欠

  • 2017.11.09
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年11月8日(水)付



安倍晋三首相が6日、トランプ米大統領と会談し、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、圧力を最大限まで高めることなどで一致した。

1年足らずで5回目の首脳会談を行うこと自体、かつてないほど日米が緊密に連携を取っている証左だ。会談後の共同記者会見で、首相が「日米同盟の揺るぎない絆を世界に示すことができた」と強調した通り、日米の結束を内外に印象づけた意義は大きい。

両首脳は、日米が主導して北朝鮮への圧力強化を中国やロシアなどに働き掛けていくことでも一致した。北朝鮮問題の解決には、国際社会との連携が不可欠であることは言うまでもない。

トランプ氏は、アジア歴訪の最初の訪問国に日本を選んだ。その意味では、日米首脳会談は、北朝鮮問題を解決するための入り口となったと言える。今後、トランプ氏が韓国や中国で、解決に向けた話し合いをどのように行っていくか、注視していく必要があろう。

今月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国などが参加する東アジアサミットも行われる。中ロはじめ各国首脳と足並みをそろえる機会としなければならない。

今回の首脳会談では、拉致問題にも光を当てた。トランプ氏は会談に先立ち、北朝鮮による拉致被害者の家族ら17人と約30分間、面会した。

大統領に就任した年に拉致被害者の家族と面会したことは歴代の米大統領と比べて早く、解決に向けた心強いメッセージとなったのは間違いない。

両首脳は、アジアからアフリカに至る地域の安定と成長をめざす「自由で開かれたインド太平洋戦略」を共通の外交戦略として推進していくことでも合意した。

「米国第一」主義を掲げるトランプ氏が、多国間による枠組みの重要性を認めたことは、新たな提案として注目されよう。

通商政策では、日米で考え方の違いはある。トランプ氏からも対日貿易赤字の是正に言及があった。麻生太郎副総理とペンス米副大統領が進める「日米経済対話」で、より緊密な議論を期待したい。

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