e井上幹事長の衆院代表質問(要旨)

  • 2017.11.22
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年11月22日(水)付



10月23日に連立政権合意を交わし、北朝鮮問題への対応や力強い日本経済への再生をはじめ、「全世代型社会保障」の構築、東日本大震災からの復興・災害対策の強化などに総力を挙げて取り組むことを確認しました。

国民と約束した一つ一つの課題に真剣に取り組み、結果を出すことで国民の負託に応えてまいります。

自民党と公明党の連立政権がスタートして5年。今回の衆院選の結果は、この5年間の経済の再生や、政治に安定をもたらしてきた自公連立政権・安倍内閣への評価であることはもちろんですが、今後の政策実現に対する国民の期待と受け止め、決しておごることなく、謙虚な姿勢で真摯な政権運営に当たらなければなりません。


北朝鮮問題


北朝鮮は国際社会の度重なる抗議や警告を無視し、相次ぐ弾道ミサイルの発射や核実験を強行しており、断じて容認できません。

首相は、今月6日、トランプ米大統領との首脳会談後の共同記者会見で、「対話のための対話では全く意味がない」「北朝鮮から政策を変えるので話し合いたいという状況をつくることが大事だ」と指摘されました。

国民の安全・安心、そして拉致問題の解決を図ることは何よりも優先されなければなりません。

政府は、強固な日米同盟の下、国際社会との連携をさらに深め、わが国が主導的役割を発揮して、国連安保理決議に基づく一連の制裁決議の完全履行を全ての国連加盟国に働き掛け、北朝鮮の政策転換を強く迫り、核・ミサイル・拉致といった問題の解決に全力を尽くすべきです。


産業の育成に総力挙げよ


生産性・人づくり革命


これまでの経済財政政策により、過去に類を見ないほどの景気回復と雇用環境の改善が実現しています。

安倍内閣、そして私たち公明党も、内需主導型の経済成長と、賃金上昇による所得環境の改善が全国津々浦々で実感できることが最重要課題であるとの共通認識の下、成長戦略を推進し「成長と分配の好循環」の実現をめざし、あらゆる施策を講じた結果であることは言うまでもありません。

しかし、大企業を中心とする業績の回復と賃金上昇が続く一方で、地域の中小企業や保育・介護、IT(情報技術)分野など、必要な場所に人材が不足しており、現場からは切実な声が上がっています。

これまで、保育・介護人材や、土木・建設労働者の確保のために処遇改善や労務単価の引き上げなど、適時適切な政策を実行してきましたが、雇用・所得環境の改善や人手不足問題は、その解決に時間がかかることは否めません。

だからこそ、安倍内閣は、足元の経済指標におごることなく、経済の好循環を地域にまで定着させていくために、どこまでも経済最優先で取り組むべきです。


日本の潜在力


わが国は、本格的な少子高齢化社会を迎えようとしています。首相は、この課題克服に向けて、「生産性革命」と「人づくり革命」を断行するとしています。

私どももまた、「生産性革命」と「人づくり革命」によって、わが国の潜在力を存分に発揮することができれば、まだまだ日本は大きく発展できるチャンスが広がっていると確信します。

例えば、AI(人工知能)やビッグデータなどに代表される情報通信技術(ICT)をフル活用できる人材の育成は、そこから生まれた新しい技術によって、世界をリードする産業を育て、日本経済を底上げすることが期待されます。

自動運転車の早期実現のため、「安全基準」を策定すること、高齢運転者の交通事故防止に役立つ警報装置等の普及促進、トラックの自動隊列走行の実現による物流改革なども、その典型例であり、総力を挙げて取り組むべきです。

また、生産性革命には、人手不足で悩む中小企業や小規模企業を中心に、生産性を飛躍的に向上させるITツールの導入や設備投資を積極的に促すことが必要です。そのための予算や税制を早急に検討すべきです。

こうした取り組みによって、あらゆる分野で日本の潜在力が発揮されれば、公明党がめざす「一人一人の能力が生かせる社会」の構築にもつながります。


社会保障と税の一体改革


軽減税率の導入を万全に


「全世代型」に改革


「社会保障と税の一体改革」と、消費税収の使途変更の意義を改めて確認しておきたいと思います。

少子高齢化の進展に伴い、年金給付や医療・介護のサービス提供、子育てや介護・障がい者支援、生活保護などに充てる国の社会保障給付費は、右肩上がりで増加しています。

未曽有の超高齢社会を迎える2025年には、150兆円に迫るという試算もあります。

一方で、支え手である現役世代は減少の一途をたどり、増え続ける社会保障給付費をどう賄っていくかは「待ったなし」の重要課題です。

そこで、12年に、当時の与党民主党、そして自民党、公明党の3党が、未曽有の少子高齢社会に耐え得る社会保障制度を再構築するため、消費税率の引き上げを含む歳入改革と、効率的な運用による歳出の改革を同時に進めていく、いわゆる「社会保障と税の一体改革」について合意し、これまで工程表に沿って改革を進めてきました。

社会保障制度を持続可能なものとしつつ、さらに強化するには安定的な財源を確保する必要があります。

そのために消費税率を引き上げ、その増収分を年金、医療、介護、子育ての社会保障4分野の維持・強化に充てることが「一体改革」の要です。

今般、政府与党は、この一体改革の基本を堅持しつつ、幼児教育の無償化をはじめとする子育て支援や教育の充実など現役世代が抱える不安解消に取り組むために、これまで予定していた増収分の使途を変更し、社会保障を「全世代型」に大きく改革することを決定しました。

改めて社会保障と税の一体改革の中で、消費税の使い道を見直し、子育て世代や子どもへの支援を充実する意義について首相の答弁を求めます。

併せて公明党は、社会保障の強化のみならず、消費税率の引き上げに際し、大きな痛みを実感する家計に対する視点を重視して、消費税の持つ逆進性を緩和するため、軽減税率の導入を訴え、制度実現をリードしてきました。

消費税率10%への引き上げと同時に、軽減税率を円滑に、確実に開始できるよう万全の準備を進めることは、一体改革を完結させるための責任です。


教育負担の軽減


0~5歳の教育無償化 一日も早く実現すべき


教育への投資、特に教育負担の軽減は、少子化対策の柱です。公明党はこれまで、一貫して教育費の負担軽減に取り組んできました。教科書無償配布もその一例です。

教科書無償配布は、小学5年生の少女の切実な声がきっかけでした。彼女は家計が苦しく、教科書を購入できないことを教師に訴えたのです。その教師は後に参院議員となり、「何はさておいても中学3年までの教科書代を無償にすべきだ」と政府に訴えました。

その結果、教科書無償配布は1963年から段階的に行われ、69年には小学1年から中学3年生までの全児童・生徒を対象に完全実施されました。

公明党の「小さな声を聴く力」が結実した証しでもあります。 

先の衆院選で私たち公明党は、家庭の経済的な理由にかかわらず、希望すれば誰もが教育を受けられるよう、幼児教育の無償化をはじめとする「教育負担の軽減」を公約に掲げました。

教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、全ての子どもに質の高い教育を受ける機会を保障することが重要だからです。

特に公明党は2006年から幼児教育の無償化を訴え続け、12年の自公連立政権合意には段階的に進めることを盛り込み、着実に実績を積み上げてきました。

一日も早く、0歳から5歳までの全ての幼児を対象とした幼児教育の無償化を実現すべきです。併せて、保育士や幼稚園教諭等の処遇改善・働きやすい環境整備を図ることも重要です。

一方、高校等への進学率は98.7%に上り、ほとんどの生徒が高校まで進学しています。ところが、公立の全日制高校に入学する生徒は志願者の約75%で、公立を志願しても合格できず、やむを得ず私立に入学するケースも少なくありません。

また、特色のある私立高校で学びたくても経済的な理由から、選択肢に入れられない生徒もいます。

東京都が今年3月に発表した「子供の生活実態調査」によると、私立に在籍する高校生の保護者に私立高校を選んだ理由を聞いたところ、一般の所得世帯層では、「教育の質が高いと思った」が43.6%、「教育方針が気に入った」が37.5%となっています。

しかし、経済的困窮層では「公立高校の入試に合格しなかった」が54.4%で最も高くなっています。

高校生が安心して教育を受けられるよう、授業料に充てるための就学支援金が支給されています。公立高校は授業料の無償化が実現していますが、私立高校は、加算分を足しても授業料の平均額の40万円に遠く及んでいません。

こうした公私格差是正の観点から公明党は、年収590万円未満の世帯を対象に、私立高校授業料の実質無償化を実現すべきと訴えています。

また、高校生がいる低所得世帯、多子世帯の負担軽減を図るため、授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金の制度についても、第1子の給付額を第2子以降の給付額と同額まで拡充し、低所得世帯や多子世帯の負担軽減を図るべきです。

大学生については今年度から、公明党が長年訴えてきた「給付型奨学金」が実現しました。今後さらに、給付額や対象枠を大胆に拡充すべきです。また、授業料減免の拡充も図り、希望すれば誰もが大学等で学べる社会を築かなければなりません。

併せて、希望する全ての学生に無利子奨学金の貸与をめざし、「有利子から無利子へ」の流れを加速させるとともに、17年度から新たに導入された卒業後の所得に応じて奨学金の返還額が変わる「所得連動返還型奨学金」の既卒者への適用を検討すべきです。


経済連携協定


強い農林水産業めざせ


TPP11(米国抜きの環太平洋連携協定)や日EU(欧州連合)などの経済連携協定が重要な局面を迎えています。成長戦略の重要な柱の一つであり、協定発効に向けて強力に取り組んでいただきたい。

一方、経済連携協定には国内への影響、特に農業への影響を心配する声があります。

例えば、ヨーロッパ産のチーズは、世界の生産量の約半分を占め、種類も豊富なため、関税率の引き下げで値下がりすれば、国産チーズの売り上げが圧迫されるといった心配です。

一方で、チーズの国際コンクールでは日本のチーズが金賞に輝くなど、国産チーズの品質や評価は着実に向上しております。

日本の農林水産業が世界との競争の中でも生き残っていくためには、生産力の向上やブランド化を一層進めるとともに、担い手の確保や生産者が経営力を身に付けるなど、現場の実態を踏まえた支援が急務です。

2015年に策定した総合的なTPP関連政策大綱についても改訂する必要があります。その際、今般の日EU・経済連携協定の大枠合意により新たに必要となる国内対策を盛り込むとともに、強い農林水産業の構築に向けた万全な対策を打ち出すべきです。


働き方改革


中小の実態踏まえ支援を


昨年、大手企業の女性社員が過重労働によって自ら命を絶つ、痛ましい事件が起きました。また先月は、女性記者が過重労働の末、4年前に亡くなっていた事実が判明しました。過労死や過労自殺という悲劇を繰り返してはなりません。

時間外労働に罰則付きの上限規制を設けるなど、「命を守る」働き方改革の実行が急務です。特に、中小企業の働き方改革には、多重的な下請け構造や労務管理制度の未整備など、実態を踏まえた支援が求められます。大企業の働き方改革が進む中、中小企業にシワ寄せが及ばぬよう、企業間の適正な取引の徹底も不可欠です。

業種によっては、発注者との関係で労働時間の短縮が難しい物流や建設業、地域医療の確保と働き方改革の両立など、それぞれの課題にきめ細かく対応する必要があります。

学校現場で懸命に子どもたちと向き合う教員も、勤務環境は極めて厳しい状況にあり、教職員定数の抜本的な拡充など、働き方改革が「待ったなし」です。


がん対策の強化


傷病手当の制度改善へ


日本人の2人に1人が生涯のうちに何らかのがんになる時代を迎えています。長寿命化が進む中、国民の生命と健康、生活を守る上で、がん対策の強化は極めて重要です。

先月24日、政府は国の指標となる「第3期がん対策推進基本計画」を閣議決定しました。この基本計画では、「がん予防」「がん医療の充実」「がんとの共生」の3本柱の下、がんの克服をめざすこととなりました。

「がん予防」については、受動喫煙の防止対策が鍵になります。受動喫煙が原因で死亡する日本人は年間1万5000人を超えるといわれ、徹底した受動喫煙防止対策が求められています。従来の健康増進法による努力義務規定を抜本的に見直し、より厳しい実効性の高い制度を構築すべきです。

「がん教育」の普及も重要です。医師等の外部講師の活用による、がん教育の全国展開に全力を挙げて取り組むべきです。

「がん医療の充実」については、がんゲノム医療や免疫療法など、新たな治療法に期待が高まっており、がん患者一人一人に最も適したがん医療が提供できるよう、わが国のがん研究を強力に推進すべきです。

「がんとの共生」を実現するためには、治療と仕事の両立や生活支援の取り組みが重要です。

公明党がん対策推進本部が、2015年の提言に「傷病手当金制度の見直し」を盛り込み、その実現を訴えてきた結果、3月に策定された働き方改革実行計画の工程表に、21年度末までに「傷病手当の支給要件等について検討・措置」すると明記され、このたびの第3期基本計画にも盛り込まれました。一刻も早く、制度の使い勝手を良くするべきです。

また、がんと診断された時からの緩和ケアを充実するため、引き続き、医療者への緩和ケア研修を推進するとともに、病院の実地調査を継続すべきです。


防災・減災


交付金の積み増しが必要


公明党は、国民の命を守ることが政治の最優先課題と考え、全国的な防災・減災、老朽化対策を集中的に支援する「防災・減災ニューディール」を提唱し、一貫してその取り組みを強力に進めてきました。

「防災・減災ニューディール」は、国土の強靭化とともに、地域経済の活性化を促し「地方創生」にも大きく貢献し得る重要な政策であると考えています。

近年、熊本地震や、本年に発生した九州北部豪雨、台風21号による被害など、わが国では自然災害が激甚化、多発化し、想定を超える被害等も各地で発生しており、国民の命を守る社会インフラの強化は「待ったなし」です。

政府は「水防災意識社会」の再構築に向けた取り組みを進めていますが、九州北部豪雨、台風21号等の水害・土砂災害を踏まえて、中小河川の氾濫防止や、都市部における内水氾濫の対策など、全国各地のインフラ整備に加え、ソフト対策と自助も組み合わせた総合的な対策を着実に進めるべきです。

地方自治体が行う対策も「防災・安全交付金」を積み増しするなど強力な支援が必要です。


中山間地域の防災


7月の九州北部の豪雨災害では、福岡県や大分県を中心に河川の氾濫や土砂災害など甚大な被害をもたらし、37人もの尊い命が犠牲となり、4人の方が行方不明となっています。

この豪雨災害で課題となった一つは、中山間地域の集落における防災対策です。高齢者も多く、孤立しやすい地域では、自助、共助の観点から、災害時要配慮者の方々が安全に避難できる「避難経路」と「自主避難場所」の事前の確保とともに、日頃から地域住民同士の連携・確認が極めて重要です。

わが国において、全国各地に同様の中山間地域は多く、「防災・減災対策」の強化は、喫緊の課題です。


復興


観光は東北活性化の起爆剤


東日本大震災の発災より6年と8カ月が経ちました。被災地では、復興は着実に進んでいますが、今なお、約8万人の方々が避難生活をし、約4万人の方々が仮設住宅での暮らしを余儀なくされています。

また、復興の進展に伴い、被災者、地域のニーズが多様化しています。それに対応したきめ細かな支援が、ますます重要な段階となっています。

公明党は、これからも被災者に寄り添い、お一人お一人が人間としての「心の復興」「人間の復興」を成し遂げるまで、二つの風、即ち「風化」と「風評被害」と闘い、復興を加速しなければならないと決意を新たにしています。

世界が刮目するような東北復興をめざし、地域コミュニティーの活性化や「福島イノベーション・コースト構想」などの新産業の創出、観光復興の強化・推進などによって、東北の魅力・潜在力を大きく引き出し、わが国における地方創生の模範となるような「新しい東北」を創造していくべきです。

以下、具体的に質問します。

東北の地方創生、経済活性化の起爆剤こそ「東北観光復興」です。

近年のわが国における全国的なインバウンド(訪日外国人客)急増の流れを踏まえて、政府は2016年を「東北観光復興元年」と銘打ち、それ以降、さまざまな取り組みを進めています。

一方で、福島をはじめとする東北の観光は、いまだ根強い風評被害により、依然として多くの課題が残されています。

風評被害対策の強化とともに、「観光先進地・東北」の実現のための取り組みについて石井国土交通相に答弁を求めます。

福島再生に向けて、本年春には、帰還困難区域を除くほぼ全ての地域で避難指示が解除となりました。これからが正念場です。帰還される避難者の方々に、しっかりと寄り添い、全力で支え続けていかなければなりません。

帰還される方は高齢者の割合が高いため、介護・福祉、医療等のきめ細かな環境整備と、担い手の確保を急がなくてはなりません。

また、そこで働く担い手の人たちがやりがいを持って働き続けていけるような、仕組みや環境づくりも重要です。

福島の避難解除に伴う介護・福祉等を含めた生活環境整備や担い手確保策について首相の答弁を求めます。

帰還困難区域については、5年後をめざした住民の避難指示解除や居住可能なまちづくりに向けた「復興拠点」の整備が、双葉町や大熊町を皮切りにスタートしました。

除染とインフラ整備を着実に進め、やがて帰還される住民の方々が安心と誇りを持って生活できる「新たなまちづくり」とともに、将来的には浜通りの「福島イノベーション・コースト構想」と連動した新産業の雇用創出を見据え、新たな住民確保にも全力を挙げて取り組まなければなりません。「復興拠点」の整備・促進が、福島の復興・再生の「新たな希望」となるよう、国が前面に立ち、より一層の支援が必要です。

最後に一言申し上げます。自公連立政権・安倍内閣が発足して5年。自民党と公明党の安定した政治基盤の下、経済の再生をはじめ、社会保障の充実や教育、防災・減災対策、外交・安全保障の強化など、さまざまな政策課題に真正面から挑戦し、着実に成果を上げてきました。

公明党には、地域に根差した党員・支持者の皆さんに支えられた地方組織があります。

そして、地方議員、国会議員のネットワークを通じて、地域の課題や国民の幅広い民意を受け止めて、それを政策にし、地方議会や国政を通じてその政策を形にし、実現する努力を積み重ねてきました。

これからも公明党は、大衆の中から生まれた政党として、このネットワークをさらに強化し、幅広い国民の民意をしっかりと受け止め、与党として、政策実現を通じて国民の暮らしを全力で守り抜くことを、お誓い申し上げ、私の代表質問と致します。


井上幹事長に対する安倍首相らの答弁(要旨)


【安倍晋三首相】

一、(軽減税率制度について)消費税率10%への引き上げに伴う低所得者への配慮として2019年10月に実施する予定だ。着実な実施に向け万全な準備を進める。

一、(教育負担の軽減について)私立高校の授業料無償化については、衆院選前に行われた党首討論で(公明党の)山口代表から申し入れがあり、検討している。

幼児教育の無償化は2020年度までに3~5歳の全ての子どもたちの幼稚園、保育園の費用を無償化する。0~2歳児も低所得世帯に対して無償化する方針だ。

幼児教育の無償化をはじめとする教育費の負担軽減などに関して、与党で議論を進めており、12月上旬までに新しい経済政策パッケージを取りまとめる。

一、(働き方改革について)取引関係の弱い中小企業は顧客の要求に応えようとして長時間労働になりがちだ。商慣習や取引要件の適正化を一層強力に推進する。

一、(防災・減災対策について)九州北部豪雨では、住民と行政が協力して作成した自主防災マップが減災につながったといわれ、このような取り組みを全国的に広めていく必要がある。

【石井啓一国土交通相】

一、(東北の観光復興について)20年に東北6県の外国人宿泊者数を150万人泊とする目標に向け、東北観光復興対策交付金を創設している。20年の東京五輪・パラリンピック大会の機会も活用しながら取り組みを強化したい。

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