e中小企業支援を強化
- 2017.11.24
- 政治/国会
公明新聞:2017年11月23日(木)付
事業承継抜本拡充せよ
核廃絶へ日本が橋渡し役に
若年性認知症対策も
参院本会議で山口代表
参院は22日、本会議を開き、安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行った。公明党の山口那津男代表は、経営者の高齢化が進む中小企業・小規模事業者の事業引き継ぎ支援の抜本的な強化を主張。特に「事業承継税制」の思い切った拡充を提唱した。介護人材の確保策や認知症対策の充実も求めた。また、北朝鮮の核・ミサイル開発断念に向けた取り組みと中韓両国との関係改善を訴え、核廃絶や国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」達成へ、日本が主導的役割を発揮するよう求めた。=質問と政府答弁の要旨はこちら
【事業承継支援】
山口代表は、今後10年間に経営者の引退が見込まれる中小企業の約半数に当たる127万社超で後継者が未定とされ、放置すれば廃業が急増し日本経済に深刻な影響を及ぼしかねない現状に言及。事業承継に伴う贈与税・相続税の納税猶予の要件緩和などに向け、事業承継税制の抜本的な拡充を迫った。事業引き継ぎに向けては、早い段階からの計画的な取り組みを積極的に促すよう訴えた。
安倍首相は「今後編成する補正予算も活用し、切れ目のない(承継)支援策を講じる」と述べ、税制に関して「思い切った拡充を検討していく」と答弁した。
【介護・認知症対策】
山口代表は、介護人材が2025年に約38万人不足するとの試算に触れ、「より一層の処遇改善を進めるべきだ」と強調。業務負担軽減や労働環境改善なども促すよう求めた。
認知症対策では、研究開発費の大幅拡充に加え、18年度に予定される「認知症初期集中支援チーム」の全市町村での開設に向けた万全の支援を要望。65歳未満の現役世代が発症する「若年性認知症」対策などにも踏み込むよう主張した。
【アジア外交】
北朝鮮問題について山口代表は、国際社会が一致して国連安保理決議に基づく制裁の実効性を高めていく重要性を指摘し、「今は圧力をかける時だ。その上で核・弾道ミサイル開発を断念させ、対話による解決へとつなげるべき」と訴えた。
中韓両国との関係については、延期となっている日本での日中韓首脳会談の早期開催や、首脳同士の相互訪問を通じ、関係改善をさらに進めるよう迫った。
【核廃絶】
山口代表は、国連で7月に核兵器禁止条約が採択され、これに貢献した「核兵器廃絶国際キャンペーン」がノーベル平和賞を受賞することを歓迎し「核軍縮・不拡散に向けた機運が高まることは大変喜ばしい」と強調。一方、同条約採択の過程で核保有国と非保有国との間の溝が深まったとの指摘を踏まえ、「日本が橋渡し役となって双方の信頼関係の再構築を図りながら、具体的かつ現実的なアプローチを積み重ねることが極めて重要」と指摘した。
【持続可能な開発目標】
山口代表は「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、日本が国際社会の取り組みをけん引していくべきと力説した。