e編集メモ
- 2017.11.24
- 情勢/解説
公明新聞:2017年11月24日(金)付
遠のく民進"再結集" 3党首の溝が浮き彫り
今国会での本格的な論戦スタートとなる各党代表質問が終わった。衆院選で分裂した旧民進党系の3党首の登壇に注目が集まったが、それぞれの主張を聞いてみると、「溝が浮き彫りになり、再結集は遠のくばかり」(22日付「日経」)。再結集を望んでいる民進党議員らは、さぞ意気消沈したに違いない。
例えば平和安全法制。立憲民主党の枝野幸男代表が、廃止を求めて政府との対決姿勢をむき出しにしたのに対し、希望の党の玉木雄一郎代表は、見直しを提案するなど現実路線に徹し、立憲民主と一線を画した。民進党の大塚耕平代表は、質問で同法制に触れず、持論を封印した。
2カ月前まで同じ政党だったにもかかわらず、たもとを分かった途端、重要政策で大きな温度差が出たことは、今後の再結集の「立ち位置の違いも浮き彫りにしている」(22日付「産経」)とも言えるだろう。民進に残った議員らは、再結集に活路を見いだしたいようだが、立憲民主や希望は、独自色を出すことに躍起で「現状では容易ではない」(21日付「日経」)のは確かだ。
また、党首間の不協和音も表面化している。枝野氏は、2019年の統一地方選を見据えてか、突如、民進党籍を持つ地方議員に対し、年内に立憲民主への入党を促す"踏み絵"を迫った。これに対し大塚氏は「枝野氏らしくない。他者の自由意思を強要するようなことはあってはならない」(21日の記者会見)と抗議した。
かつての民進党には、これほど政策も考え方も違う人たちが集まっていたのかと、今さらながら感心させられる。ここまで違いを鮮明にされてしまうと、もはや同じ党にまとまることなどできないのではないか。(洋)