eコラム「北斗七星」
- 2017.11.27
- 情勢/社会
公明新聞:2017年11月27日(月)付
このところ季節を先取りしたかのように冷え込む日が多い。先週の寒波では各地から雪の便りが届き、東京も3日続きで最低気温が3度台まで下がった。12月中旬並みの寒さだ◆今年に限ったことではない。昨年は11月に東京で雪が積もった。都心で11月の積雪は観測史上初だとニュースで報じられた。「地球温暖化といわれるのに、なぜ寒くなるのか」と首をかしげたくなる◆だが、日本列島の冷え込みや大雪が、実は地球温暖化によってもたらされると指摘する専門家も多いようだ。気象庁の気象研究所は昨年、温暖化が進むと内陸部で極端な大雪が増えるとの予測を発表した。北極海の氷が減ると上空のジェット気流が蛇行し、日本列島に大雪を降らせる寒気が南下しやすくなるとの研究もある◆温暖化は、夏の猛暑や大型台風の発生をもたらすだけでなく、冬に寒波や大雪を呼ぶこともある。実にやっかいな現象だ◆地球温暖化対策は、政府や国際機関の仕事と思いがちだが、日本では温暖化の原因となる二酸化炭素の2割は、われわれの日常生活から排出されている。冷暖房の温度を控えめにしたり、電車、バスを使って車の利用を減らすなど、暮らしの中のちょっとした努力で電気や燃料の消費を抑え、温暖化を防ぐ効果がある。まず出来ることから始めたい。(千