e力強い賃上げ さらに
- 2017.12.01
- 政治/国会
公明新聞:2017年12月1日(金)付
事業承継促す税制改正
北朝鮮 中国と連携強化し対応を
給付型奨学金、多子世帯にも
参院予算委で西田、三浦氏
参院予算委員会は30日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して総括質疑を行い、公明党から西田実仁参院幹事長、三浦信祐氏が質問に立った。西田氏は、学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り会計検査院がまとめた報告書を受け、政府に対し行政文書の作成・保存の厳格化など再発防止策を強く要請。企業に対する賃上げの支援や事業承継税制の抜本的な拡充、中小企業の設備投資促進に向けた後押しも主張した。三浦氏は、返済不要の給付型奨学金の対象拡大、若者の自殺防止対策などを訴えた。
【経済再生】
西田氏は、企業の賃上げを促すため、政府が検討する内部留保の扱いに関する指針で「労働分配率(収益に占める人件費の割合)や改善目標を公表し、説明責任を果たすよう義務付けては」と提案した。安倍首相は「施策を総動員し、賃上げの勢いをさらに力強いものにしたい」と述べた。
西田氏は、事業承継に伴う贈与税・相続税の納税猶予の要件緩和を強く要請。世耕弘成経済産業相は、「要件を抜本的に見直し、使い勝手の良いものにする必要がある」と応じた。
西田氏は、中小企業の設備投資促進へ、「固定資産税の軽減策として思い切った手だてが必要だ」と訴えた。安倍首相は、「税制だけでなく補正予算も活用した大胆な支援策を講じ、中小・小規模事業者の攻めの投資を総合的に支援したい」と意欲を示した。
【北朝鮮問題】
西田氏は、29日の北朝鮮による弾道ミサイル発射を非難した上で、北朝鮮の非核化には「中国との連携を強化しないといけない」と指摘。そのために、日中韓サミット(首脳会議)の早期開催や「日中ハイレベル経済対話」の再開を求めた。
安倍首相は、日中関係を発展させていく好機を生かし、両会議の実現に取り組む考えを示した。
【森友学園問題】
西田氏は、森友学園への国有地売却について、財務省近畿財務局が国有財産を売却する際に必要な「評価調書」を作成しなかったことを指摘。改善策として行政文書の管理徹底などを講じる一方、「新たなルールが作られても守られなければ意味がない。行政監視について立法府、行政府の垣根を越えた抜本的な議論をすべきだ」と強調した。
安倍首相は行政監視機能の強化へ「不断の取り組みを進めていく」と答えた。
【教育費の負担軽減】
三浦氏は、給付型奨学金の支給要件を緩和し、ひとり親世帯や家計が急変した場合も支給しやすくすべきと主張。林芳正文部科学相は、「授業料減免、給付型奨学金の大幅拡充を行う」と述べた。三浦氏は、「低所得はもとより、中所得世帯にも多子世帯にも恩恵がある制度に」と訴えた。
【自殺対策、核廃絶】
三浦氏は、若者の自殺防止対策として、SNS(会員制交流サイト)を活用した相談体制の構築を提案したほか、核廃絶に向けて安倍首相が強いリーダーシップを発揮することを求めた。