eコラム「北斗七星」
- 2017.12.04
- 情勢/社会
公明新聞:2017年12月2日(土)付
今振り返ると、政治の過ちを正す最後の警告だった。山梨県の中央自動車道笹子トンネルで9人が犠牲になった天井板崩落事故。2012年12月2日に発生し、きょう5年を迎えた◆当時は民主党政権。「コンクリートから人へ」と言い放ち、公共事業をムダ扱いする浅はかな無用論で国民を惑わせていた。これに対し、公明党は東日本大震災の教訓から「防災・減災ニューディール」を掲げ、インフラの老朽化対策を含む「命を守る公共事業」の重要性を訴えた。事故から2週間後、衆院選で民主党は大惨敗を喫して政権崩壊したのだ◆自公政権が誕生し、公明党は真っ先に命を守る公共事業に挑戦。インフラを総点検し、優先度の高い順に対策を進める流れを、この5年間で定着させたのである◆公明党の太田昭宏国土交通相(当時)が就任直後、インフラ総点検に着手。橋やトンネルの定期点検のルール化など次々と手を打ち、石井啓一国交相が路線を継いだ。そして公明党は「防災・減災等に資する国土強靱化基本法」を実現◆「命を守る」という物差しは、党綱領に記す「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」の発露だ。他党の追随を許さぬ「中道」の公明党らしさといえる。全国各地のインフラが相次ぎ耐用年数に達する今後、その物差しが真価を発揮する。(東)