eコラム「座標軸」
- 2017.12.04
- 情勢/社会
公明新聞:2017年12月3日(日)付
1日に開かれた皇室会議で、天皇陛下の退位日が2019年4月30日になることが確定した。翌5月1日には皇太子さまが即位され、日本は新元号の下、新たな時代へと船出する◆歴史の節目を前に"来し方約30年"を振り返ると、あの日あの時の出来事が鮮やかに蘇ってくる。冷戦終結、バブル崩壊、地下鉄サリン事件、米同時多発テロ......。元号に託した「平らかに成る」との願いとは裏腹に、平成は国内外ともに激動の連続だったことを改めて痛感する◆平成は、災害の時代でもあった。阪神・淡路大震災と東日本大震災を頂点に、雲仙普賢岳火砕流、三宅島噴火、新潟県中越地震、広島土砂災害、さらに御嶽山噴火、関東・東北水害、熊本地震など記録的な自然災害が相次いだ◆銘記すべきは、地球規模で気候変動が進み、日本列島で交錯するプレートや地下を走る断層が活性期にある中にあって、災害は今後も頻発し続けるであろうことだ。とりわけ首都直下地震と南海トラフ巨大地震への対策は、ポスト平成時代の日本にとって最重要テーマとなることは間違いない◆ならば、その備えを今のうちに仕上げ、次の時代に引き渡す。せめてそうすることで、「平らかに成る時代」としての平成を締めくくりたい。