eネット犯罪対策 自分を守る知識身に付けよう
- 2017.12.04
- 情勢/解説
公明新聞:2017年12月4日(月)付
「気をつけよう暗い夜道と甘い言葉」―犯罪被害を防ぐための標語だが、注意が必要なのは"現実の生活空間"だけとは限らない。
内閣府が先月公表した「治安に関する世論調査」では、「犯罪に遭うかもしれないと不安になる場所」を複数回答で聞いたところ、「インターネット空間」が61.1%で首位になった。5年前の前回調査では「インターネット空間」は約42%で、「繁華街」「路上」の次だった。「インターネット空間」の約20ポイントもの上昇は、ネット犯罪への国民のいら立ちを表している。
架空請求や、ネット上の誹謗中傷といった被害を避ける基本は、ネット利用者がしっかりとした自己防衛の意識を持つことである。そのための知識、マナーの普及をさらに進める必要がある。
ネット空間を不安と回答した人の年齢を見ると、18~29歳、30~39歳、40~49歳、50~59歳の各層で70%を超えた。日本を支える現役世代がネット犯罪に不安を感じている。深刻な事態である。
現実社会の中で犯罪に当たる行為はネット空間でも犯罪だ。"おかしい""危ない"と感じたらすぐにそのサイトから離れることだ。
例えば、名前や住所など個人情報を書き込ませようと誘導したり、不必要にクレジットカード情報を求めるサイトは要注意である。利用した覚えのないサイトからの一方的な請求は無視して一切連絡を取らないことも基本だ。
万が一、被害に遭ったりトラブルに巻き込まれたら、すぐに警察に相談することが大切である。その際、電子メールやサイトの画面を印刷したり、振込用紙の控えなどの資料が用意できればより早く対応してもらえる。
また、学校教育ではネット利用の知識、マナーを標語にして教える努力も進んでいる。兵庫県警は「ネットで知り合った人に会いに行かない」「パスワードは家の鍵と同じ、秘密にしておこう」などの注意事項を盛り込んだ標語を作ってPRしている。
公明党は「こどもマニフェスト2017」で学校生活の中でネット利用のマナー、ルールを学べるようにすると約束した。ネット犯罪に厳しく対処していきたい。