eコラム「北斗七星」

  • 2017.12.08
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年12月8日(金)付



最近、『ドラえもん』(原作=藤子・F・不二雄)に携わるアニメーターと懇談する機会があった。彼は「描きながら、ドラえもんの世界観に共鳴している」と語る◆気になって、「THEドラえもん展」(東京・六本木ヒルズ森タワー=来年1月8日まで)をのぞいてみたら、最先端の現代アートとコラボした、いろんな表情のドラえもんと仲間たちに出会えた。その中の、矛盾だらけの世界をのぞき見て目を丸くするドラえもんの絵画に、ヒロイン・しずかちゃんのせりふ「ときどきりくつにあわないことするのが人間なのよ」との題が添えてあった◆以前、「ドラえもん学」を提唱する横山泰行・富山大学名誉教授が本紙(2012年5月6日付)で語っていた。文庫化された800余の『ドラえもん』で、毎回のように相棒・のび太が抱え込むトラブルは、4割が友だち関係だと。それをドラえもんと解決していく◆先のアニメーターは「のび太とジャイアンやスネ夫は、けんかばかりしていても本当は仲良しで、信頼し合っている。そんな彼らを描いていると、自分が幸せになれる」と言う◆こんな5年前の新聞広告を見つけた。クルマの宣伝だが、キャッチコピーが<世界にとって、ドラえもんみたいな国になれるといいな、ニッポンは。>。5年前より、今ほしい言葉かも。(三)

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