e委員会質疑から
- 2017.12.08
- 情勢/解説
公明新聞:2017年12月8日(金)付
行政文書管理 徹底せよ
佐々木さん「加計学園」問題で訴え
参院文教科学、内閣両委員会は7日、国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」獣医学部新設の認可に関して連合審査会を開き、佐々木さやかさんが質問に立った。
佐々木さんは、内閣府による特区認定と、文部科学省による同学部の設置認可の手続きが妥当だったことを確認した上で、これまでの国会審議などを通じて、行政文書の管理が不十分であったことが明らかになったことから、「国民に不信感が生じてしまった」と指摘。文科省が行政文書の存在を確認する調査に時間を要したことにも触れ、「速やかに必要な調査ができるよう文書管理の体制をつくることが、国民の信頼確保の観点から重要だ」と訴えた。
林芳正文科相は、行政文書の管理のあり方について、政府が年内の改正をめざす行政文書の管理に関するガイドライン(指針)を踏まえ、「文科省としても規則の速やかな改正や省内への周知徹底などを行い、適切な文書管理に取り組んでいく」と答えた。
がん患者 就労支援必要
熊野氏 公務員先行し環境づくり
7日の参院内閣委員会で熊野正士氏は、国家公務員として働いているがん患者への支援について質問し、「民間に先んじて安心して働ける環境をつくるべきだ」と訴えた。
熊野氏は、国のがん対策の方針を示した「第3期がん対策推進基本計画」で、がん患者の就労支援が大きな柱になっているにもかかわらず、患者の就労継続や復職を支援する制度が充分に活用されていない現状を指摘。「もっと周知し、相談体制も充実する必要がある」と主張した。
梶山弘志国家公務員制度担当相は、「がん患者も含め、全ての職員が存分に能力を発揮できる環境づくりに努める」と述べ、中でも管理職への意識啓発に強い意欲を示した。
予防型で負担を軽く
秋野氏 インフラ老朽化対策促す
7日の参院総務委員会で秋野公造氏は、自治体が管理する橋などのインフラ整備に関して、効率的な老朽化対策を促すための支援拡充を求めた。
秋野氏は、劣化が少ないうちに補修する予防保全型の対策を行うことで、地方財政の大幅な負担軽減につながると力説。自治体が公共施設の老朽化に備えて積み立てた基金の活用も含めて、「計画的な老朽化対策を促進させるための取り組みが必要だ」と主張した。
野田聖子総務相は「地方財政措置を拡充するなど、自治体が適時適切に対策を実施できる環境を整備していきたい」と答えた。
このほか、秋野氏は災害時の避難所における生活環境の向上へ、トイレ供給体制の充実なども訴えた。
地域に配慮した観光へ
竹内氏が初質問 東北の訪日客増も主張
7日の参院国土交通委員会で竹内真二氏は、参院初当選後、初めての質問を行った。
竹内氏は、訪日外国人観光客の急増に伴い、公共交通機関の混雑や民泊による騒音トラブルなど、地域住民の生活に影響を与える事例が出てきていると指摘。2020年までに年間訪日客4000万人をめざす政府目標の達成と、地域住民への配慮をどう両立させるのかをただした。
田村明比古観光庁長官は、来年6月に施行される民泊新法に基づき、宿泊事業者への苦情対応の義務付けや、マナーの周知徹底に取り組む考えを示した。
一方、竹内氏は、東日本大震災の影響などから、訪日客の増加が伸び悩む東北地方への誘客を要請。
田村長官は、「復興五輪と位置付けられる東京五輪・パラリンピックの機会も活用し、東北の観光復興を加速させたい」と応えた。
違法民泊 対応を強化
伊藤さん 実態把握へ自治体支援を
参院厚生労働委員会は7日、一般住宅を宿泊施設として活用する「民泊」の無許可営業に対する規制強化を盛り込んだ旅館業法改正案を全会一致で可決した。
採決に先立つ質疑で伊藤孝江さんは、無許可営業者に対する立ち入り検査の権限が、新たに都道府県知事などに与えられることに触れ「保健所などの業務量を考えると(法律違反の)調査について、地方自治体でどこまで対応できるのかという懸念がある」と指摘。違法民泊の実態把握を民間委託した京都市を例に挙げ、自治体の取り組みを後押しするよう求めた。
加藤勝信厚労相は、先進事例を踏まえて「さらに何ができるかを検討したい」と答弁した。
この日の同委員会では、薬害C型肝炎の被害者に支払われる給付金の請求期限を来年1月から5年間延長する薬害肝炎救済法改正案も、全会一致で可決した。
環境アセスの規模要件見直しすべき
河野氏
7日の参院環境委員会で河野義博氏は、火力発電所建設の環境アセスメント(影響評価)について、小型(11.25万キロワット未満)ならば、二酸化炭素を比較的多く排出する「石炭」でも不要になることから、新設計画が相次いでいる現状に懸念を示し、規模要件の見直しを求めた。
中川雅治環境相は、規模要件の見直しに向けて、今年度実施の環境影響などに関するデータ収集の結果を踏まえ、「来年度以降に必要な検討を行う」と述べた。
自衛隊の任務鑑み子育て環境を整備
杉氏
7日の参院外交防衛委員会で杉久武氏は、自衛隊施設や防衛省内における子育て環境について、「災害派遣など緊急かつ特殊な状況の発生を鑑みた支援が要求される」と強調。緊急時の一時預かりや、24時間対応の託児所などの重要性を指摘し、整備状況を確認した。
防衛省の武田博史人事教育局長は、緊急時の一時預かり体制を駐屯地など全国173カ所で整備し、24時間保育も庁内託児施設8カ所中6カ所で可能にしていると報告。「隊員が子どもを持ちながら隊務に精励できるよう、引き続き庁内託児施設を含む各種の環境整備に取り組む」と述べた。