e子どもを受動喫煙から守ろう
- 2017.12.12
- 生活/生活情報
公明新聞:2017年12月12日(火)付
東京都で防止条例成立
家庭での禁煙求める
自動車内や学校周辺なども
子どもを受動喫煙から守るための条例が先ごろ、東京都議会で可決、成立しました。同条例を推進してきた公明党の取り組みについて、党員の公恵さんと明子さんが友人の友美さんに語っています。
公恵 10月5日の都議会で、公明党など3会派が共同提案した「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が成立しました。来年4月1日に施行されます。
友美 どういう内容?
明子 条例は、どんな場所でも、子どもに受動喫煙をさせないように努めることを都民の責務として規定。家庭内で子どもと同じ部屋で喫煙しないことや、子どもが乗っている自動車内で喫煙しないことを求めているわ。
公恵 この他に、公園、児童遊園、学校や児童福祉施設の周辺、小児科の病院や診療所の周辺などで、子どもの受動喫煙を防止するよう努める必要があります。
友美 罰則はあるの?
明子 罰則はないけれど、家庭内などの私的空間での禁煙を求める条例は、全国初だわ。
友美 努力義務とはいえ、どうして私的空間まで禁煙を求めるの?
公恵 子どもは自らの意思で受動喫煙を避けることが難しいので、保護の必要性が高いからです。
友美 受動喫煙という言葉を聞くようになって久しいけれど、健康への影響はどうなの?
明子 たばこには70種類以上の発がん性物質が含まれているとされているわ。厚生労働省の「たばこ白書」によると、喫煙が原因となって死亡する人は年間約13万人。国立がん研究センターは、受動喫煙で亡くなる人が年間1万5000人いると推計しているの。肺がんや虚血性心疾患、脳卒中は喫煙と因果関係があるとされ、受動喫煙を受けている人はこれらの疾病のリスクが1.2から1.3倍ほど高くなるそうよ。
公恵 受動喫煙による乳幼児突然死症候群(SIDS)の死者も年間73人程度いると考えられています。
友美 健康に大きな影響があるのね......。
明子 受動喫煙を防止する動きは民間でも広がりつつあり、外食チェーンでは「マクドナルド」やファミリーレストランの「ロイヤルホスト」がすでに全店で禁煙。このほど「サイゼリヤ」が2019年9月までに全店を禁煙にする方針を打ち出したわ。
公恵 都は20年の東京五輪・パラリンピックに向け、飲食店などを原則禁煙とする罰則付きの受動喫煙防止条例の制定をめざしています。
公明、一貫して推進
友美 公明党の取り組みは?
明子 都議会では、野上純子都議が08年6月の定例会などで、たびたび質問に受動喫煙の問題を取り上げて対策を要請。党都本部女性局(松葉多美子局長=都議)も女性議員研修会に有識者を招き、受動喫煙のリスクや対策を研さんしてきたわ。
公恵 党都本部は今年5月に発表した都議選の重点政策で、受動喫煙防止条例の制定をめざすと明記。その後、都議会公明党と都民ファーストの会東京都議団でつくる「受動喫煙対策合同調査会」が8月、子どもを受動喫煙から守る条例を9月からの定例会で成立させる方針を発表していました。
明子 同条例の採決に先立って栗林のり子都議が討論に立ち、受動喫煙の健康への影響に触れた上で「社会的環境を整え、子どもを保護する取り組みの緊急性は強い」と訴えていました。
友美 受動喫煙を防止する東京都の取り組みが広がっていくといいわね。
公恵 世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)は「たばこのない五輪」の推進を求めており、近年の五輪開催都市はいずれも罰則付きの受動喫煙防止策が取られています。東京大会に向け、取り組みの強化が求められます。