eコラム「北斗七星」
- 2017.12.15
- 情勢/社会
公明新聞:2017年12月15日(金)付
12月4日午後、読者からの投稿に交じって、一つの電子メールが届いた。「祖母が先週の木曜日(11月30日)に逝去いたしました」。長年、投稿を続けてこられた女性のお孫さんからの発信だった◆1973(昭和48)年1月21日付の掲載を皮切りに、足かけ45年。実名での登場以外にも、かつては短文で世相を斬るコーナーに「神奈川・ナデシコ」のペンネームでも数多く登場した。今年、3月7日付の、先に逝ったお姉さんに感謝する投稿が最後となった◆「幾度となく貴紙に掲載をいただき、祖母の楽しみとなっていました(よく図書券をわたしがもらっていました)」とメールは続く。電話してみると、お孫さんは「新聞や本を読み、文章を書くのが好きでした」と語った。そのお母さん、つまり娘さんは「公明新聞が大好きでした」と声を詰まらせた。享年96歳。眠るような最期だったという◆公明党草創期からの熱心な支持者であり、公明新聞の愛読者だった。関東大震災で両親を亡くした2歳の少女は、戦争の時代を乗り越え、50歳を過ぎてから、絶えることなく投稿し続けた。その軌跡に、勇気づけられた読者も多い◆今年10月、投稿欄「波紋」が公明新聞に登場して55年が経った。新聞と読者が、こんなにも近くで繋がっている。この糸を大切にしたい。(繁)