eコラム「北斗七星」

  • 2017.12.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年12月16日(土)付



「世の中はつらいことでいっぱいですが、それに打ち勝つことも満ち溢れています」。幼少時の病から、見えず・聞こえず・話せずという三重苦を背負いながら、こうした言葉で人々を励まし続けた米国の社会福祉活動家、ヘレン・ケラー女史。彼女が社会に大きく心の目を開いたきっかけの一つが点字だった◆今では発券機やATM、家電製品など日常の至る所に。そして情報機器の発達により録音された本を音声で聞く「音声図書」の普及も進む。ただ音声には聞き間違いもあり、正確に理解するには点字の力が欠かせない◆公明党が発行する点字機関誌「点字こうめい」は先月、創刊75号(1980年11月以来、年2回〈5月、11月〉発行)の節目を迎えた。読者の皆さまに寄り添う、より充実した誌面を引き続きめざしたい◆今号では盲ろう者初の常勤大学教員である福島智・東京大学教授が、特別寄稿「人生の『苦悩』の意味探り貢献したい」として点字に救われた人生などを語っている。この寄稿にはこれまで、ノーベル賞受賞者・小柴昌俊氏やスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎氏ら著名人の力強いエールが寄せられてきた◆同女史も願っていたであろう、心の壁をも乗り越え差別のない共生社会を築く「ノーマライゼーション」の流れをさらに広げていきたい。(照)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ