e"民進迷走劇"の着地点見えず

  • 2017.12.18
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年12月18日(月)付



党勢低迷が続く民進党の再建に展望が見えない。マスコミの世論調査で同党の支持率は1%程度にまで落ち込み、党内からは2019年の統一地方選、参院選に「このままでは、まともに戦えない」などと不満が噴出している。

こうした中、14日に開かれた同党の両院議員懇談会。大塚耕平代表は、党改革案として(1)新党に移行(2)党名変更(3)現状維持で党を存続――などの案を提示。執行部は、いずれかの案を採用して行き詰まりを打開したい考えだが、「意見集約は難航必至」(14日付「毎日」)とする大勢の見方どおり、「着地点の見えない議論に終始」(15日付「朝日」)した。

党内に異論が強いのは、どの選択肢でもデメリットが大きいからだろう。新党結成は、希望の党や立憲民主党との連携を視野に入れているようだが、「単なる数合わせ」との批判は免れず、党名変更は「看板の掛け替え」にすぎない。現状維持に至っては、「『改革』なのかすら疑問」(14日付「産経」)とまで指摘されている。どれを選択するにせよ、党再建への道のりは、何とも険しそうだ。

改革案の策定では、同党の「解党」を巡る対立も露呈した。たたき台で示した「解党的出直し」に一部の議員が猛反発。最終的に改革案から「解党」という文言は削除されたという。そもそも民進党は、10月の衆院選を前に希望の党への合流を了承したものの、選挙後に一転して存続を決めたばかり。にもかかわらず、再び解党が議論されるという迷走ぶりに国民はあきれ果てているだろう。

党の方向性が一向に決まらない中、改革案への反発から離党を示唆する議員も出始めた。一度決めたことを守らず、対立ばかりを繰り返す無責任な体質をただすことができるのか。見通しは暗くなるばかりだ。(文)

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