e「人への投資」に重点
- 2017.12.23
- 情勢/経済
公明新聞:2017年12月23日(土)付
18年度予算案を決定
17年度補正も
バブル期並み税収見込む
政府は22日午前、2018年度予算案を閣議決定した。国の基本的な予算規模を示す一般会計総額は97兆7128億円で、6年連続で過去最大を更新した。高齢化を背景に医療・年金など社会保障費は歳出全体の3分の1超に膨らむ一方、バブル期以来の高い税収を見込む。政府は年明けの通常国会に予算案を提出し、今年度末までの成立をめざす。
一般会計総額は17年度当初比で2581億円増加。このうち国の政策経費となる一般歳出は5367億円増の58兆8958億円。政府は15年に決めた財政健全化計画で一般歳出の伸びを18年度までの3年間で1兆6000億円にとどめるとしており、増加額は枠内に収まった。
予算規模を押し上げた主な要因は、一般歳出の半分以上を占める社会保障費の伸びで、過去最大の32兆9732億円に達した。
「人への投資」を進めるため、待機児童11万人分の保育の受け皿整備として1152億円を配分。科学技術振興費を17年度から0.9%増とした。
防衛費は5兆1911億円で、核・ミサイル開発を進展させる北朝鮮情勢をにらみ、弾道ミサイル防衛経費などを盛り込んだ。
地方交付税交付金は、地方税収増で自治体の自主財源が増えるとして、15兆5150億円と、521億円減少させた。国債の元利払いに充てる国債費については、金利低下で利払い費が減少するとみて2265億円減少の23兆3020億円とした。
歳入では、景気回復を受けて税収が1991年度(決算ベース)以来の高水準となる59兆790億円に上ると見積もった。税外収入は4313億円減の4兆9416億円。
新規国債を33兆6922億円発行するが、8年連続の減額となる。
また、2兆7073億円の歳出追加を盛り込んだ17年度補正予算案も閣議決定した。「人への投資」の関連費用に加え、農業対策費、九州北部豪雨の災害復旧費などを盛り込んだ。財源の一部は建設国債を1兆1848億円追加発行して賄う。=18年度予算案と17年度補正予算案のポイント
■2018年度予算案の概要
【一般会計】97兆7128億円( 0.3)
〔歳入〕
税収59兆0790億円( 2.4)
税外収入4兆9416億円(▲8.0)
新規国債33兆6922億円(▲2.0)
赤字国債27兆5982億円(▲2.4)
建設国債6兆0940億円(▲0.0)
〔歳出〕
政策経費74兆4108億円( 0.7)
一般歳出58兆8958億円( 0.9)
社会保障費32兆9732億円( 1.5)
公共事業費5兆9789億円( 0.0)
文教科学費5兆3646億円( 0.1)
防衛費5兆1911億円( 1.3)
地方交付税15兆5150億円(▲0.3)
国債費23兆3020億円(▲1.0)
(注)カッコ内は17年度当初予算比伸び率%、▲は減