eコラム「北斗七星」

  • 2017.12.25
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年12月25日(月)付



日本人12人目の宇宙飛行士の金井宣茂さんが先週、国際宇宙ステーションでの活動を開始した。これと前後して、有人月面探査の話題も国内外で注目を集めた。米国が新たな計画を発表し、日本政府も参加する方針だ◆今なぜ月なのか。理由の一つは、水が存在する可能性があるからだ。水は、宇宙飛行士の飲料水だけでなく酸素と水素に分解してロケットの燃料にすることもできる。水の確保は、月を拠点にした火星の有人探査に道を開くという◆地球でも水は貴重だ。今月、ミャンマーで「アジア・太平洋水サミット」が開かれ、安全な飲み水や衛生的なトイレを「2025年までに全ての人々に提供する」との宣言を採択した。それほど深刻な水問題に直面している国は多い◆日本も油断はできない。水道管の老朽化が進み、水道法にある「清浄にして豊富低廉な水の供給」が危ぶまれている。文字通り"湯水のごとく"水を使えることの有り難さと、それを将来にわたり維持することの難しさを痛感させられる◆「水を飲む時に井戸を掘った人のことを忘れるな」という言葉がある。日中国交正常化に命懸けで尽力した先人の労苦に敬意を示す際によく使われる。折しも与党交流団が中国を訪問中だ。日中友好の金の橋を、しっかりと未来へ継承する訪中としたい。(幸)

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