e原発事故避難者に高速料金無料カード

  • 2017.12.28
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2017年12月28日(木)付



本人確認 より簡素化
福島13市町村で順次受付 期限も2年間延長



国土交通省は、東京電力福島第1原発事故による警戒区域などからの避難者を対象とした高速道路料金の無料化について、期限を2020年3月末まで2年間延長し、18年1月から本人確認の手続きを簡素化する。

現在、無料で高速道路を通行するには、(1)被災証明書など被災時の住所の確認書面(2)運転免許証など本人確認書面――の二つを出口料金所で提示する必要があるが、対象者に発行されたカード1枚を提示すれば通行可能にする。

カードの名称は、「ふるさと帰還通行カード」。福島県の13市町村で申し込んだ後、1カ月程度で手元に届く。各市町村の役所や出張所で22日以降、順次受け付けが始まっている。

国交省によると、カード提示方式に移行することで、自動車1台につき40秒かかっていた確認作業の時間が20秒に短縮され、料金所の渋滞緩和が期待されるという。18年6月末までは、現在の二つの書面を提示する方法でも無料で通行できるが、同年7月以降はカード提示方式へ完全に移行する。

高速道路の無料化は、福島県内の対象インターチェンジを入り口または出口とする走行が対象で、避難者の一時帰宅や生活再建を支援するために12年4月に開始。13年3月末に終了予定だったが、公明党の要望を受け、毎年1年単位で延長されてきた。今回の無料化の延長と本人確認の手続き簡素化は、17年2月、石井啓一国交相(公明党)に行った要望が実ったもの。

福島県大熊町から、同県いわき市へと避難している渡辺純一さん(45)は、「いつも利用している高速道路の料金所では毎朝、20~30台の自動車が連なり、一般道まではみ出している。カードによって渋滞が解消されれば助かる」と歓迎していた。

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