eデジタル教科書を活用
- 2018.01.11
- 情勢/テクノロジー
公明新聞:2018年1月11日(木)付
東洋大学と共同で実証研究
佐賀・武雄市
佐賀県武雄市では昨年10月から、紙の教科書を電子化し、タブレット端末で使う「デジタル教科書」の学習効果などを探る実証研究を実施している。公明党の松尾陽輔市議はこのほど、市学校教育課新たな学校づくり推進室の諸岡利幸室長から話を聞いた。
同研究は、東洋大学や教科書会社と共同で行っている。自治体と大学によるデジタル教科書の共同研究は全国初の試みという。
対象は、市立小中学校全16校の小学4年生と中学1年生。対象者全員にデジタル教科書が配布され、国語、算数、数学の授業で試行されている。
狙いは、動画の再生や学習履歴の保存などの機能を備えたデジタル教科書を使い、授業への理解を深め、学習意欲を向上させること。同研究は今年3月まで行われ、紙の教科書との使い分けや成績への影響などを検証する。
文部科学省が、2020年度からデジタル教科書を全国の学校に導入する方針を示している中、同研究はその先駆けとして課題を把握する役割が期待されている。
市は13年から、家庭でタブレットPC(パソコン)の動画を視聴して事前学習した上で実際の授業に臨む「スマイル学習」をスタート。15年には、市内全小中学校の児童・生徒全員へのタブレットPCの支給が完了するなど、一貫してICT(情報通信技術)教育に力を入れている。諸岡室長は「次世代を担う子どもたちのため、ICTを活用した教育をさらに進めていく」と話していた。
松尾市議は、議会質問などを通じて、タブレットなどを活用した特色ある学校づくりを訴えていた。