e長寿県復活へ構想進む

  • 2018.01.22
  • 生活/生活情報

公明新聞:2018年1月20日(土)付



沖縄で管理栄養士を養成
19年春、沖大に新学科めざす



長寿県・沖縄の復活へ――。沖縄大学(那覇市)は、管理栄養士を養成する健康栄養学部・管理栄養学科(仮称)の設置構想を進めている。2019年4月の開設をめざす。現在、沖縄県内には、管理栄養士を養成できる大学や専門学校はなく、同学科が設置されれば県内で唯一となる。公明党沖縄県本部(金城勉代表=県議)は、大学側との意見交換を重ね、公明党の秋野公造参院議員とも連携して学科設置に尽力。秋野氏らはこのほど、大学で長濱正弘理事長、仲地博学長と会い、進ちょく状況などを確認した。


管理栄養士は国家資格で、健康な人だけでなく、傷病者や高齢者も対象にした栄養管理・指導を行うことができる。栄養士と比べると、より専門的な知識が必要となる。

沖縄大学の構想では、管理栄養学科の修業年限は4年で、入学定員は80人(収容定員320人)。所定の科目を履修すれば、管理栄養士の国家試験受験資格を得られるほか、卒業時に栄養士免許や栄養教諭一種免許などを取得できる。主な就職先としては、医療関係や社会福祉施設、学校、保育所、給食センターなどを想定している。

長濱理事長、仲地学長らとの懇談の中で秋野氏は、高齢社会が進む中で、食に関する専門的な知識を持つ管理栄養士の重要性が増していると強調。その上で「管理栄養士の(将来的な)可能性は広がっている。県外に行くことなく、沖縄で養成できる意義は大きい」と語った。

長濱理事長は「18年3月までに国に設置申請し、学生を募集して19年4月からスタートさせたい」と状況を報告。仲地学長は「長寿県の復活は県だけでなく、各自治体の課題でもある。管理栄養士に対する県内関係者の関心は高い」と話し、沖縄大学が、そうしたニーズの受け皿を担う方針を強調した。

沖縄県の平均寿命は、かつて男女共に日本一だったが、近年は大きく順位を下げている。昨年12月に発表された厚生労働省の都道府県別平均寿命調査(15年)でも順位を下げ、男性は80.27歳で36位、女性は87.44歳で7位と後退した。

現状に歯止めを掛けるため、県は「40年に平均寿命日本一」との目標を掲げ、健康長寿ブランドの再構築をめざしている。その一環として、食の専門家である管理栄養士の養成に力を入れる方針を固め、管理栄養士養成課程の設置補助事業費として約3億円を今年度予算に計上。沖縄大学を補助予定者として決定した。



党県本部も補助事業推進



党県本部も、長寿県復活への取り組みには管理栄養士の県内での養成が不可欠との観点から、議会などを通じて県の事業を後押し。沖縄大学や秋野氏と連携しながら同事業を推進するなど尽力してきた。

秋野氏は「なぜ、かつて沖縄が長寿県だったのかという沖縄の食生活が解明され、長寿県復活へのカギが明らかになれば」と話し、今後の同学科での研究に期待を寄せていた。

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