e地域支える訪日客消費
- 2018.01.24
- 情勢/経済
公明新聞:2018年1月24日(水)付
17年は初の4兆円超
経済成長への新たな機会開く
公明、4000万人実現に全力
訪日外国人の消費が地方経済を押し上げている。
16日の政府発表によると、2017年の訪日客数は過去最高の2869万人。消費額は初めて4兆円を超え4兆4161億円となった。続く17日には大阪観光局が、大阪を訪れた外国人客(推計)は1111.4万人で、消費額は1兆1852億円と発表した。関西国際空港を発着するLCC(格安航空会社)の新規就航などが寄与したという。
日銀大阪支店は今年1月、「奈良や和歌山などインバウンド(訪日客)需要は地域的な広がりを見せている」と指摘。また昨年10月には、関西経済への影響について「(人口減少で)縮小一辺倒だったところにもう一度、成長の機会が出てきている」と評価している。
アジアに近い九州では、地の利を生かし、クルーズ船による訪日客誘致が進む。17年のクルーズ船による外国人入国者数は過去最高の253.3万人。寄港回数を港湾別に見ると、第1位が博多港326回、第2位が長崎港267回、第3位が那覇港224回となっており、九州・沖縄に多くの訪日客が訪れたことが分かる。
クルーズ船効果は絶大だ。千人単位で訪日客を呼び込み、周辺地域にグルメやショッピングの消費を生み出すことができるため、地域経済の底上げにつながっている。
かつては都市部での「爆買い」が注目された訪日客の消費だが、近年は「モノ」の消費から、体験などを求める「コト」の消費に関心が移りつつある。これに伴い、郷土料理や自然の風景、歴史的な建造物など、地方に残る"日本らしさ"に触れることに関心が高まり、訪日客の足が地方へと向かっている。
こうした状況を受け日本政府観光局は、国や地域別に重点地域を定め、訪日客の地方誘致を進めている。
例えば韓国は中国・四国地方が重点地域。昨年、ビザ発給要件が緩和され、個人旅行需要が高まる中国は、訪日客の動線を龍に見立てた、中部・北陸の「昇龍道」(富山、石川、福井、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀)。台湾は東北・中部が重点地域となっている。
政府は、20年までに訪日客4000万人、旅行者による消費額8兆円を目標に掲げており、訪日外国人は、今後も増え続けるとみられる。
公明党はこれまでも、ビザの発給要件緩和や免税制度の拡充、日本各地の魅力を世界に発信する訪日プロモーションの強化などを推進し、訪日客誘致を進めてきた。引き続き、訪日客4000万人の実現に全力で取り組んでいく。