eコラム「北斗七星」

  • 2018.01.25
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年1月25日(木)付



「葱白く洗ひたてたる寒さかな」(芭蕉)。過酷な環境の中でも外界の情報や状態を巧みにキャッチし暮らしの営みを支えてきた人の手には多様で不思議な力がある。それは初春の頃だったか、同窓の先輩宅を訪ねた折、握手を求め差し出してくださった柔らかい手のぬくもりは、幾春秋を経た今でも忘れられない◆『人は皮膚から癒される』(草思社)の著者で桜美林大学教授・山口創氏は、手などで触れることで好影響を与える実験結果を紹介している。スキンシップケアの効果として最大のものは、不安と抑うつを低下させる効果であり、その大きさは「心理療法と同程度」と指摘する◆一方で古くから、人間が大切にしてきた「皮膚(肌)感覚」を生かし、実体に迫ろうとする最先端科学の分野もある◆センサーなどを使用し、遠く離れた対象物を遠隔操作で感知するリモートセンシング技術。その判読には、実際に足を運び得られた現地調査のデータも駆使して最終的に識別・集約されるという◆地方議会から始まった公明党は、生活の現場で何が求められているのか、まさに肌感覚で探り、課題解決に奔走してきた。通常国会での本格論戦を迎えた今、直面するさまざまな問題に"先手"を打ち、くみとった生活者の心や声を、国政に的確に反映させていきたい。(照)

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