e山口代表の参院代表質問(要旨)
- 2018.01.29
- 情勢/解説
公明新聞:2018年1月27日(土)付
人が輝く社会
学び続けられる環境つくれ
少子高齢、人口減少社会の波が押し寄せるわが国は、重大な岐路にあります。
この大きな変革に、自民、公明の連立政権は果敢に挑戦を続けます。そして、一人一人が輝き、将来にわたって夢と希望が持ち続けられる社会を構築していく決意です。
人が輝き活躍できる社会―それは、高齢者も若者も、障がいや難病を持つ方も、すべての一人一人の持つ可能性や能力を最大限に発揮できる社会でなければなりません。
安倍内閣が進める1億総活躍社会の実現、働き方改革、「人づくり革命」「生産性革命」の目的もそこにあります。
「全世代型の社会保障」を構築し、持続可能な社会保障制度を次世代に確実に引き継ぎます。そして、誰もが生きがいを持って生活ができる、地域が支え合う共生社会をめざします。
安倍内閣発足から5年。公明党は連立与党にあって、これからも、『生命・生活・生存』を最大に尊重する「人間主義」の理念を、あらゆる政策の立案・遂行の根幹に据えて、政治を前に進めます。
働き方改革
経済が大きく好循環を始めました。今年は、デフレからの脱却の大きなチャンスです。
広く景気回復の実感が得られるよう、さらなる賃上げを継続・加速させるなど、あらゆる政策を総動員していかなければなりません。
その重要な課題の一つが、「働き方改革」です。働く人の心身にわたる健康を確保し、日々の生活をより豊かにする。働く人の視点から長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方を実現していくことは、急務の課題です。
罰則付きの時間外労働の上限規制の導入、勤務間インターバル制度の普及促進などを含む法律案の早期成立を求めます。
リカレント(学び直し)教育は時代の要請であり、1億総活躍社会の実現、特に働く意欲のある女性や高齢者の活躍の観点からも極めて重要です。
また、AI(人工知能)など技術革新のスピードの速さにも対応し、時代に即し、一人一人のライフスタイル、年齢に関係なく学び続けられる社会の構築が急がれます。
学び直しは、単に仕事に直結するスキル(技能)を身に付けるだけではありません。生きがいや新たな気付き、自己発見の場でもあります。
こうした視点も踏まえ、継続的に学べる環境を整えるべきと考えます。
経済政策パッケージ
昨年末、「人づくり革命」に向け、「新しい経済政策パッケージ」が策定されました。
その中には、私が昨年11月の本会議で申し上げた「さまざまな理由でスタートラインにすら立てない方に対して温かな手を差し伸べる」との方向性も明確に記されました。
本格的な少子高齢化・人口減少社会への挑戦の大きな一歩が踏み出せたものと確信します。
政策パッケージには、幼児教育の無償化、私立高校授業料の実質無償化など公明党の主張が多く盛り込まれています。引き続き、0歳から2歳児までの保育のさらなる支援などについても着実に検討すべきです。
中小企業
事業承継支援を大幅強化
相談体制の充実、周知必要
日本のものづくりを支えるのが中小企業です。
その中には、世界最高水準の技術力を持ち、その企業でしか造れないオンリーワンの製品や世界的シェアを保持する企業も多くあります。まさに日本経済の屋台骨です。
昨年11月の本会議で私は、優れた技術や技能を守り、次世代に継承していく攻めの取り組みとして、事業承継問題について質問しました。
結果、株式の相続税・贈与税について、雇用要件の見直しや対象株式の上限撤廃などを図るとともに、今後10年間、承継時の納税を全額猶予し、承継時と売却・廃業時の納税額の差額を免除するなど、事業承継税制の抜本拡充が決まりました。と同時に、「ものづくり補助金」の継続、事業承継を後押しする補助金、設備投資にかかる固定資産税の減免措置など、支援策が大きく整備されました。高く評価したいと思います。
今後、事業者の視点に立ったきめ細かな対応ができるよう、なんでも相談できる「よろず支援拠点」、後継者のマッチングを支援する「事業引継ぎ支援センター」、そして、地域の関係機関との「事業承継ネットワーク」の機能強化など体制整備を急ぐべきです。
また、せっかくの支援策が使われなければ意味がありません。必要とする事業者が、確実に支援策を受けられるよう情報提供、周知徹底をしっかりと図っていただきたい。
観光立国、地方創生
大学の振興基軸に活性化
人が輝く基盤である「地域力」の強化、「地方創生」が極めて重要です。
2017年、訪日外国人旅行者数は2869万人となりました。
世界に誇れる観光立国へ、さらなる飛躍をめざし、さまざまな施策を総動員しながら、20年の4000万人達成へ弾みをつける一年としていくべきです。
観光の潜在需要はまだまだ高い。今はアジア各国からの訪日が中心ですが、欧米など幅広い国からの旅行客を増やす施策にも力を入れるべきです。
また、休み方改革と連動した「国内観光」の活性化も求められます。
観光の質も大切です。
最近は、地方における伝統・文化・自然に触れる体験型、交流型の観光に関心が高まっています。
魅力的な観光資源・文化財は全国各地にたくさんあります。
観光地域づくりのかじ取り役を担う「日本版DMO」や「国立公園満喫プロジェクト」など、地方誘客の取り組みと連動させながら、地方の魅力が輝く戦略的な取り組みを強化すべきです。
訪日外国人の急拡大、航空会社間の激しい競争、空港の24時間化などで航空業務は大幅に増大しています。その中でも特に、空港内の旅客の輸送、手荷物・貨物の積み降ろしなど発着を裏方で支える業務の方の労働環境は、下請け的な立場でもあり、大変厳しいとの声を伺いました。
観光戦略は、国策です。政府として現場の実態を踏まえた適切な対応を求めます。
地方創生について伺います。
地方創生の取り組みから3年。依然、地方から東京圏への人の流れは止まっていません。
特に若者は、地元で働きたいが「希望する職種が地元にはない」「企業が少ない」などを理由に都市部で就職しているのが実情です。政府は、地方大学の振興を基軸とする地方活性化に向けた法案提出を予定しています。
地方の大学、自治体、そして地方を拠点とする事業者が連携し、雇用の確保とそこで活躍できる人材を育て送り出す仕組みが機能するよう交付金を含めた国の支援が重要と考えます。
支え合う共生社会
生活困窮者の孤立化防げ
高齢者が住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けられるよう、医療・介護サービスに加えて、地域での見守りや支え合いなどの活動の充実が不可欠です。
神奈川県秦野市では、住民ボランティアが運営するデイサービス事業と、住民主体の送迎支援サービスを組み合わせた総合事業が進んでいます。
住民ボランティアは70代の方が中心。80代も少なくありません。
支える側も高齢者が中心で「自身の生きがい」として活動されています。
一方、車による送迎が欠かせませんが、送迎支援サービスの担い手となったのがNPO法人です。
送迎スタッフが利用者を送り届ける車中で健康状態なども確認しながら、心身の変化に応じて地域包括支援センターや住民ボランティアなどとも情報を共有し、住民同士の支え合いによる独自のデイサービスを展開しています。
地域の多様な主体が支える側に回ることで、高齢者はサービスを利用しながら地域とのつながりを維持する。(全ての団塊の世代が75歳以上となる)25年に向けて、地域の状況やニーズを踏まえつつ、その地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの深化・推進を急ぐべきです。
生活困窮者自立支援制度は、生活保護に至っていない生活困窮者に対して包括的な支援を行う「第2のセーフティーネット(安全網)」として創設されました。
1億総活躍社会実現への重要な施策です。
施行から2年、新規相談者が約45万人、うち約6万人の方が就労・増収に結び付いています。しかし、課題も見えてきました。例えば、就労準備や家計支援などの事業が任意の事業であるため、地域間でばらつきが出てしまっています。
生活困窮者の社会からの孤立を防ぎ、また、生活上の課題解決による自立と社会参加に向けて、自立相談・就労準備・家計相談にかかる支援が一体的に行えるようにするなど、実情を踏まえた支援体制の見直し・強化を強く求めます。
さらに、「貧困の連鎖」を断ち切るため、子どもの学習支援の他、生活習慣・環境などの向上にもつながるような支援を強化すべきです。
自殺対策
昨年10月、神奈川県座間市で9人の若者が殺害される凄惨な事件が起こりました。
SNS(会員制交流サイト)に自殺願望を投稿した被害者の心に付け込む、極めて卑劣な手口に、怒りを通り越し、言葉を失いました。
「死にたい」という亡くなった人たちの叫びは、「生きたい」との裏返しであり、助けを求めるSOSであったと思えてなりません。
特に、青少年の行き場のない悩み、心の叫びを、きちんと汲み取ってあげられる体制を、一刻も早く実現させなければなりません。
昨年、長野県ではLINEを活用した、いじめ・自殺相談を試験的に実施しました。
既存の電話相談が年間259件であったのに対し、わずか2週間で1579人の中高生からアクセスがあり、547件に対応できたそうです。
注目すべきは、交友関係や恋愛、学業など身近な相談が多かったことです。
これは中高生たちが気軽に相談できたことを示しており、悩みが深刻化する前の早期解消につなげることが大いに期待されます。
サイバーパトロール(ネット上の違法・有害情報のチェック)の強化と併せて、こうしたSNSなどを活用した相談事業をはじめ、悩みを抱える人が相談しやすい環境を、全国各地に迅速に整備することを強く求めます。
また、「SOSの出し方に関する教育」をはじめ、社会全体で子どもたちの心の不調に気付き、ケアする体制整備も急務です。
震災復興
放射線 国民に正確な情報提供を
今年は、東日本大震災から7年、熊本地震から2年を迎えます。
公明党は、被災者・被災地に寄り添いつつ、人間の復興へ総力を挙げるとともに、日本全体での人の命を守る防災・減災対策を不断に進めていきます。
東日本大震災からの復興については、引き続き、被災地・被災者の実情に沿った、きめ細かな切れ目のない支援が大切です。
特に、「心の復興」事業や医療、福祉、介護など身近な生活・社会保障分野への支援の充実を求めます。
あと3年で復興・創生期間は終了します。
その後、復興はどうなるのか、特に原発事故被害地域の方々の不安な気持ちを払拭するためにも、その先を見据えた復興の取り組みと将来の方向性をできるだけ早く、示すべきではないでしょうか。
福島の再生
福島再生の夢と希望のプロジェクトが「福島イノベーション・コースト構想」です。
この構想は、廃炉研究、ロボット、水素・浮体式洋上風力などのエネルギー、さらには農業イノベーションなど、日本の未来を開くための新しい産業創出への挑戦です。
福島の方のみならず広く国民にも知っていただきながら、着実に実現させていくべきです。
中でもロボット産業の一大研究開発拠点である「福島ロボットテストフィールド」内の各施設が順次開所を迎えます。20年には、「世界ロボットサミット」の競技の一部が開催される予定となっています。
これらを契機としながら、今後の地元企業の参入も含めた企業の呼び込みや雇用創出、住民帰還につなげられるよう、国としても全力で後押しをしていただきたい。
一方、福島では、農林水産物の販売不振や観光業への悪影響、また避難児童へのいじめの問題など、原発事故による風評被害や偏見・差別がいまだ根強いものがあります。
特に福島産の農産物は、世界で最も厳しいレベルの安全検査を行い、基準値を超える放射性物質は一切出ていないにもかかわらず、消費者以上に流通業者の間で風評が根強いとの指摘もあります。
また、国民に対する福島の安全検査の実態、放射線に関する正確な情報の周知が不足していることも課題です。
政府は新たに「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」を取りまとめました。大事なことは「実行力」です。
福島の方々の生活の中で、また農林水産業、観光業その他あらゆる産業・なりわいの中で、目に見えての「効果」が如実に表れてくるよう、強力な風評被害対策の取り組みを求めます。
防災・減災対策
地震、豪雨、水害、土砂災害、火山災害―災害の多いわが国において、国民の命と生活を守ることが政治の最優先課題です。
まずは、補正予算案、来年度当初予算案には災害復旧、防災・減災対策予算が組み込まれており、早期の成立と執行を強く求めます。
その上で、さらに、「世界一安全な国」をめざし、ソフト・ハードにわたる防災・減災対策を強力に推進し、災害に強い国づくりを加速化すべきです。
インフラ老朽化対策の推進とともに、インフラの損傷が軽微なうちに計画的に修繕を行う「インフラメンテナンス産業」を育成、発展させることも重要です。
さらに、ICT(情報通信技術)活用や研究開発の強化・推進も求められます。
ユニバーサル社会の実現
20年東京五輪・パラリンピックへ
安心の街づくり早く
誰もが訪れやすく、安心して快適に暮らすことができる、そして、誰もが持てる個性や能力を発揮できる―そうした「ユニバーサル社会」の実現が、今こそ求められています。
それは、そのまま地域社会の活性化にもつながっていくはずです。
公明党は、高齢者や障がい者をはじめ、誰もが暮らしやすい街づくりに向け、段差の解消や鉄道駅のホームドア、内方線付き点状ブロックなどの整備促進など、バリアフリー法の制定当時から、その取り組みを強力に推進してきました。
昨年、政府は障がい当事者の意見や要望を十分に踏まえ「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を策定しました。
計画は、「ユニバーサルデザインのまちづくり」とともに、障がい者への差別や偏見をなくす「心のバリアフリー」が大きな2本柱になっています。
この計画を踏まえたバリアフリー法の改正を急ぐとともに、関連施策の見直し・実施に当たっては、引き続き、障がい者とそのご家族・関係者など現場の声・要望に適応した、きめ細かな配慮や工夫が求められます。
東京オリンピック・パラリンピックは、「世界に誇れるユニバーサル社会」実現の大きなチャンスです。
開催都市ともしっかり連携しながら、スピード感を持って推進するよう強く求めます。
障がい者スポーツ
先日、お会いした障がい者スポーツの関係者はこう話されました。
「『障がいは個性』です。健常者も障がい者も差異なく、誰もが『普通に』スポーツに親しめる社会をつくりたい」―私は、胸が熱くなりました。
地域で誰もがスポーツを楽しめる共生社会をつくり上げていきたいと決意を新たにしました。
しかし、障がい者スポーツには、健常者スポーツに比べ、多くの課題があることも現実です。
自分の住む地域で気軽にスポーツができるよう施設などの環境整備、指導者や競技を支える方の育成、心のバリアを取り払う教育の充実など、総合的な取り組みが求められます。
「障がいがあってもスポーツに取り組むことで、自らの可能性にチャレンジし、仲間との交流やコミュニケーションを深め、その結果、人生がより充実したものになる」
スポーツの力は絶大です。
20年東京パラリンピック大会に向けて、「ソフト」「ハード」そして「ヒューマン」のさまざまな面から支援策を強化していくべきと考えます。
また、20年に向けては、過去の開催国が大切に引き継いできた「たばこのないオリンピック・パラリンピック」という伝統を継承するため、世界に恥じない実効性の高い受動喫煙対策を進めるための法案を早期に提出し、成立を図るべきと考えます。
北朝鮮問題、外交
核廃絶へ日本が橋渡し役に
海洋ごみ 国際連携で抑制すべき
次に、外交政策について質問します。
昨年は、北朝鮮による6度目の核実験や弾道ミサイルの発射が相次ぐ中、12月には、新たな国連安保理決議が全会一致で採択されました。
前例にないレベルまで一層高めた制裁措置であり、あらためて、北朝鮮が核・ミサイル開発を続ける限り圧力を高め続ける、との国際社会の意思を反映したものです。国際社会が一致結束し、すべての国連加盟国が、引き続き制裁の実効性を高めながら、北朝鮮に核開発を諦めさせ、対話による解決へと導くことが極めて重要です。
核兵器禁止条約は、国際的に核兵器を禁止する規範が確立されたという点から、画期的な意義があると考えます。
一方、現実的には、北朝鮮の核問題がある中で、核保有国と非保有国が共に協力、連携して当面の課題を解決しなければなりません。
わが国は、唯一の戦争被爆国です。核軍縮、「核兵器のない世界」実現への責任と権利を有します。
だからこそ、積極的に核保有・非保有各国間の橋渡し役として、主導的な役割を果たし、そして、核軍縮の結果を出していくべきではないでしょうか。
わが国の主導により、昨年11月には、広島で第1回賢人会議が開催され、春のNPT(核拡散防止条約)運用検討会議に向けて提言を取りまとめることが決定しました。
「核兵器のない世界」実現へ、各国の協力と協調の下、現実的かつ実践的な道筋を示す取りまとめがなされるよう強く期待したい。
日中・日ロ関係
日本と中国は、昨年の国交正常化45周年に続き、本年は平和友好条約締結40周年を迎え、関係改善への機運が高まっています。
昨年、公明党は訪中団を派遣し、さまざまな要人らと会談を重ねました。私自身、総理の親書を習近平国家主席に手渡し、与党の一員として、日中韓首脳会談や首脳往来に結び付くよう直接働き掛ける役割を果たすことができました。
戦略的互恵関係の下、懸案を適切に処理し、さまざまな分野での交流・協力関係を拡充強化しながら、未来に向かって、新たな日中関係のあり方を模索すべきです。
一方、ロシアとの関係では、今年は相互に「日本年・ロシア年」です。幅広い分野での相互交流・理解が深まることを強く期待したいと思います。
昨年、私はロシアを訪問しました。その際、要人の方々から、共同経済活動などを通じた平和条約締結交渉への強い期待が示されたところです。
北朝鮮問題での連携はもちろん、北方四島における共同経済活動、元島民の自由往来、幅広い分野での2国間協力の実行などを進めながら、引き続き、双方が受け入れ可能な解決策を見出し、着実に歩みを進めていくことが重要であると考えます。
地球温暖化対策に関し、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることをめざす「パリ協定」の下、日本、イタリアを除くG7(主要7カ国)は大幅削減に向けた長期戦略を策定し、明確な方向性を打ち出しています。
わが国も、この潮流に乗り遅れることなく、長期戦略を早急に策定し、世界をリードする役割を果たすべきです。
また、海洋ごみは、地球上で増え続け、生態系や観光・漁業への影響などが懸念されています。
美しい海、地球を守るため、地球規模の対策が喫緊の課題です。中でも、5ミリメートル以下の「マイクロプラスチック」は回収も困難で、人体への影響も懸念されています。
まずは、主要排出源の国や国際社会と連携し、実態把握を急ぐとともに、プラスチックなど海洋ごみの回収や発生抑制対策を講じるべきです。
最後に一言申し上げます。
「SDGs」―30年に向けた「持続可能な開発目標」への取り組みが大きなうねりになろうとしています。
私は、この理念を日本はもちろん、世界に広く浸透させることに全力を挙げていきたい、と決意しています。なぜならば、「誰一人取り残さない」とのSDGsの理念は、まさに公明党の理念とも合致するからです。
「ごみを拾う・捨てない」「人を気遣う・思いやる」。―そうした小さな日常の行動の積み重ねが、SDGsの理念を一人一人の心の中に、そして、地球全体へと広げていきます。それが、平和な社会の実現に通じるものと確信するものであります。
こうしたグローバルな視点と併せ、ローカル=地域の視点も重要です。人が住み、働き、そして日々生活する地域にこそ、さまざまな政策の課題と、その解決に向けたヒントがあります。
公明党結党以来、粘り強く訴え続けてきた「福祉」の拡大への挑戦は、まさに地方議会から始まりました。それが今や、政治のど真ん中に「福祉」が位置付けられました。
公明党はこれからも国と地方とのネットワークを生かしながら、地域の現場に根差し、国民のための政治を貫くことをお約束し、私の代表質問を終わります。
山口代表に対する安倍首相らの答弁(要旨)
安倍晋三首相
一、(リカレント教育について)公明党からの提言も踏まえ、雇用保険制度を活用し、長期の教育訓練強化制度の普及など、学び直しができる環境整備を今年夏に向けて検討し、抜本的な拡充を図る。
一、(中小企業の支援について)生産性向上や事業承継に向けた支援は極めて重要だ。事業者に寄り添い、親身に対応できるよう「よろず支援拠点」や「事業引継ぎ支援センター」などの体制を強化し、確実に施策が浸透するよう取り組む。
一、(ユニバーサル社会の実現について)昨年、政府が決定した行動計画に基づき、学校や企業など国民全体に向けた心のバリアフリーの普及などを推進する。また、公共交通事業者や、地域におけるバリアフリーを進める法改正を準備している。
一、(北朝鮮問題について)諸般の事情が許せば、韓国・平昌冬季五輪の開会式に出席し、文在寅大統領と会談を行い、北朝鮮の核・ミサイル計画を放棄させるため、圧力を最大限まで高める方針からぶれてはいけないことを直接訴えたい。
一、(核なき世界の実現について)唯一の戦争被爆国として米国を含む核兵器国、非核兵器国の双方に働き掛け、双方の橋渡し役として主導的役割を果たし、現実的な観点から核なき世界を実現するため努力する。
石井啓一国土交通相
一、(観光立国の実現について)国立公園や文化財などの観光活用の推進、日本版DMOの形成促進を進め、わが国ならではの魅力的な体験などを提供し、地方への誘客と滞在時の満足度向上を図る。