eコラム「北斗七星」

  • 2018.01.31
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年1月31日(水)付



「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」。徳川家康の家臣が女房宛てに出した日本一短い手紙で知られる福井県坂井市のコンクール「一筆啓上賞」の、第25回入賞作が発表された。同賞は1~40字という短い字数で手紙形式で書き、その内容を競うもの。今回のテーマは『母へ』。国内外から3万8千以上の応募があったというから人気の程が分かる◆大賞5点のうち、千葉県の小学4年生男子の作品は《お母さん、星空で一しょになったら、二人だけの新しい星ざを作ろう。》。なんとロマンチックで、母親を慕う気持ちが素直に表現されている手紙なのかと思っていたら、母親は39歳で亡くなっていた。4年生の男子は星空を仰ぎつつ、母親に会いたい気持ちを発信したのだろう◆地元の中学2年生女子の作品《「死にたければ一緒に死ぬよ」この一言が私の生きる支えです。》。苦しかった時に支えてくれた母親への感謝の思いをメッセージに託したという◆大賞には東京の4歳の女の子の作品も選ばれていた。題は「ママへ」。《ママすきじゃない。だーいすき。ことより》。クレヨンで書いた、こういうかわいい手紙をもらったら思わずウルウルしそうだ◆最後に北斗子の母へ送る駄作紹介。「一筆啓上 インフルエンザ大流行 うがい忘れず 早く寝て」。(流)

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