eマイナンバー活用し便利に
- 2018.02.20
- 生活/生活情報
公明新聞:2018年2月20日(火)付
相乗りタクシーで実証実験
前橋市
群馬県前橋市で、タクシーの料金が補助される「でまんど相乗りタクシー(愛称・マイタク)」をマイナンバーカード1枚で利用できる総務省の実証実験が行われており、利用者とタクシー会社の双方から好評だ。また、内閣府が自治体へ配布しているタブレットパソコン(PC)を市内の郵便局に置き、マイナンバーカードの発行申請ができるようにし、カードの利便性向上と普及促進に向けた取り組みを進めている。
高齢者の利用料金安く
交通弱者対策として2016年1月に開始したマイタクは、利用登録者数が昨年11月時点で約2万人。16年度の利用者数は延べ22万人を超え、車を運転せず、公共交通機関の利用が難しい高齢者の"足"として喜ばれている。
一方、利用するには紙の利用登録証と利用券の両方が必要で、登録証や券をなくしたり、持参し忘れるケースもしばしば。また、タクシー会社が紙の利用券を基に、市が補助する分の料金を申請する方式のため、必要なデータ入力などの作業をタクシー会社の事務員が担っており、その事務負担は大きく、改善が求められていた。
カードをかざすだけ 事務負担減、会社から好評
今回の実証実験では、市内のタクシー約400台にタブレット端末を搭載。利用者は、事前に市役所などでマイタクの登録をしたマイナンバーカードをタブレットにかざすことで、マイタクを利用できる。実験は3月末までで、登録は今月28日が締め切り。2月16日現在、登録した人は約500人となっている。
マイナンバーカードによるマイタク利用券の電子化を受け、前橋地区タクシー協議会の清水憲明会長は「これまで利用券の処理などが大変だったが、事務負担が減って助かる」と話していた。
前橋市はこれまでも、マイナンバーカードの活用に積極的に取り組んできた。カードを使った「母子健康情報サービス」の導入をはじめ、航空会社のマイレージや、クレジットカードのポイントをマイナンバーカードに集約し、買い物できるようにしている。
郵便局でも発行申請が可能
また、マイナンバーカードのさらなる普及へ、市は昨年11月、内閣府が配布したカードの発行申請が行えるタブレットPCを、全国で初めて市内全46の郵便局に設置。その場で証明写真の撮影と発行申請が可能になったことで、郵便局に訪れたついでに申請できるのが魅力だ。実施から約3カ月弱で196件の発行申請が行われ、順調に数を増やしている。
マイタクの利便性向上やマイナンバーカードの活用、カード発行申請の方法に関して、市議会公明党(中里武代表)は議会質問などで、具体的に取り上げ推進。関係者と頻繁に連携を取りながら、課題の解決に取り組んできた。
中里代表は「マイタクの利便性向上やマイナンバーカードの活用を通じて、暮らしやすい街づくりが進むよう、引き続き取り組んでいく」と述べた。
でまんど相乗りタクシー(マイタク)
前橋市内のタクシーを利用する際、運賃の一部を市が負担する制度。対象は、市に住民登録している(1)75歳以上(2)運転免許証がない65歳以上(3)障がい者や妊産婦ら(4)運転免許証の自主返納者。