e在宅ワーク 悪質業者の勧誘に細心の注意を
- 2018.02.23
- 情勢/解説
公明新聞:2018年2月23日(金)付
収入を得るどころか多額の出費を迫られる―こうした事態に陥らないよう細心の注意を払いたい。
「誰でもすぐに収入UP」といった宣伝で架空の在宅ワークに勧誘し、初期費用などの名目で高額の請求をしたとして、消費者庁は19日、「ソーシャルネット」「スマートプラン」の2社について、消費者に注意を呼び掛けた。
両社の手口は巧妙だ。まず、インターネット上に開設したウェブサイトで、キャッチコピー作成の在宅ワークの希望者を募る。希望者にはメールによる研修を重ねながら、才能があり高収入が期待できるとあおる。
ところが、正式に契約をする際に突然、高額な初期費用を求める。希望者が断ろうとしても「あなたなら、すぐに元は取れる」などと言葉巧みに説き伏せ、その後も口実を付けては追加費用を請求。しかし報酬は支払わない。
各地の消費者センターには、若い女性を中心に90件の相談が寄せられているという。中には約260万円を払った人もおり、被害総額は約4400万円に上るとみられている。
パソコンなどの情報通信機器を活用し、請け負った仕事を自宅で行う在宅ワークは、データ入力やホームページの作成、設計・製図、翻訳など幅広い分野にわたる。本業としてだけでなく、会社員の副業や専業主婦の収入手段としても人気が高い。
ただ、研修や契約、仕事の受注を主にネットを通じて行うため、業者の実態は分かりにくい。この点を悪用して金をだまし取ろうとする手口には、今後も警戒が必要だ。
被害に遭わないために用心すべきことは何か。
消費者庁は、在宅ワークを申し込む際に、費用が必要になることがあるか、必要になる場合は目的や金額はどうなっているのか、いずれも書面で確認するよう促している。将来の収入を保証して高額の出費を請求された場合は、報酬規定の確認が必要とも指摘している。こうした点に留意し、被害を未然に防ぎたい。
取引に不審を感じた場合は、全国共通の消費者ホットライン(188)または警察専用相談電話(♯9110)の利用を呼び掛けている。