eコラム「北斗七星」
- 2018.02.26
- 情勢/社会
公明新聞:2018年2月26日(月)付
1歳女児の子育て奮戦中の長女から電話が入った。興奮した声で「ご近所のママ友が大人用ベッドで生後10カ月の男の子を寝かしつけていたら、自分も寝入ってしまい、子どもがベッドから落ちて顔面を打撲し、入院しちゃったの。人ごとじゃないわ」と◆気になって調べてみたら、医療機関から消費者庁に寄せられた0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故報告は、564件(2010年12月~17年6月末)に上っていた◆重心が頭部寄りにある0~1歳児が大人用ベッドから転落すると、頭蓋骨骨折や頭蓋内損傷を受傷する危険性が高い。転落をきっかけに、ベッドと壁や物との間に頭や顔が挟まれて窒息するケースもある◆同庁によると、こうした事故を防ぐには「満2歳になるまでは、できるだけベビーベッドに寝かせる」ことが肝要だ。また、大人用ベッドで親が添い寝する場合、寝かしつけた後は「子どもを一人にしないで、ベビーベッドに移す」こと。さらに、寝室は「子どもの頭や顔が挟まって窒息する隙間をなくす」よう留意したい◆万一の事態への備えでは、「心臓マッサージや人工呼吸などの応急措置の知識を持つことが重要」(日本小児科学会の竹井寛和医師)という。小児救急電話相談「#8000」(全国同一の短縮ダイヤル)も覚えておきたい。(翼)