e高校生が町歩き防災マップ
- 2018.03.01
- 生活/生活情報
公明新聞:2018年3月1日(木)付
気付いた危険箇所 反映
避難経路を加え住民に贈呈
対策研究し報告会 兵庫県立尼崎小田高校
兵庫県尼崎市の県立尼崎小田高校の生徒らはこのほど、高校生の視点で防災・減災対策の研究に取り組んできた成果を発表した。これは同高校の授業の一環で、地元の長洲地区での町歩きを反映させた防災マップ作成などが報告された。
尼崎小田高校では生徒がテーマを決め、学習内容を深めていく防災教育を実施。教室での授業に加え、東北の被災地訪問や地域の防災訓練に参加し、町歩きをして課題を探るなど実践型で学ぶのが特徴だ。昨年からは、これらの成果を発表し合う報告会も開催し、注目を集めている。
町歩きは4人の生徒が参加し、昨年9月と12月、さらに今年1月の計3回実施。専用の地図アプリを取り込んだスマートフォンを片手に町を歩く中、危険な箇所を撮影し、情報を加えることでマップを完成させていく。生徒らは「ブロック塀が倒壊するかも」「看板が歩道に張り出していて危ない」など、気付いた点をマップに反映させたという。また、住民が災害時に避難場所に行くことも想定して経路を探索。生徒らは、長洲地区の防災マップにこうした避難経路を加えて住民代表に贈呈した。
福祉施設の課題も指摘
一方、研究成果の報告会では、防災マップの作成のほか、市内で高齢者や障がい者などの災害弱者を優先的に受け入れる福祉避難所が、不足している実情を指摘。生徒らが同避難所の協定を市と結んでいる福祉施設を訪れ、普段の業務が忙しく災害時の対応まで話し合われていない状況を報告するとともに、4月以降に「対策を進めるため、市などに働き掛けていく」と語っていた。
授業を担当する福田秀志教諭は「研究に取り組む中、さまざまな問題点を見つけた。しかし、単に課題の羅列で終わるのではなく、自分たちに何ができるのか。当事者意識を持って考え続けてほしい」と、期待を込め講評を述べていた。
市議会公明党はこれまで、市内の学校の防災教育の充実を訴えてきた。この日は、同高の卒業生でもある土岐良二市議が参加し、「今後、活動を後押ししていきたい」と話していた。