e就活スタート 自己を冷静に見つめ未来開こう

  • 2018.03.01
  • 情勢/解説

公明新聞:2018年3月1日(木)付



2019年春に卒業を予定する大学生の採用に向けた主要企業の会社説明会がきょう解禁となり、就職活動が本格的にスタートする。

日本経済団体連合会(経団連)が加盟企業向けに定めた採用日程は3年連続同じで、面接など選考活動の解禁は6月となる。学生にとって準備期間は約3カ月の短期決戦だ。未来を担う若者の挑戦に、エールを送りたい。

今春卒業予定の大学生の内定率は昨年12月時点で86%と過去最高を更新している。今年も景気回復や人手不足を背景に企業の採用意欲は強く、学生が優位な「売り手市場」が続く見込みだ。

とはいえ、変化の激しい時代である。世界は第4次産業革命に突入し、わが国では少子高齢化が進む。売り手市場であろうと、将来を見通しにくい点は就活生を悩ませているのではないか。

また、定年まで同じ会社で働くことを希望する人、転職も視野に会社選びをする人、将来の起業をめざしている人など、就活生のライフプランはさまざまであろう。

まずは、どんな仕事に就きたいのか、適性はあるのかなど、自分自身を冷静に見つめることを心掛けながら、就活戦線に臨んでほしい。

就活生の大企業志向は依然として根強いが、中小企業にも目を向けてはどうか。優れた技術や製品で世界的に知られる中小企業は少なくない。

ただ、大企業に比べて情報発信力に劣るため、就活生の選択肢に入りにくいのが実情だ。

このため国は、中小企業の経営者と学生の交流会やインターンシップ(就業体験)を後押ししている。中小企業をよく知る専門家を大学に派遣して、学生に情報提供する取り組みも進めている。こうした機会を積極的に生かすべきだろう。

気になるのは、就活ルールの形骸化である。実際、昨年夏ごろからインターンシップの名目で事実上の採用活動を行っている経団連加盟企業があるという。また、外資系企業やベンチャー企業などは独自に採用活動を進めている。

長期にわたる就活が学生に過度の負担とならないよう、採用活動のあり方を改めて検討する必要があろう。

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