e中小企業 承継支援細やかに
- 2018.03.05
- 政治/国会
公明新聞:2018年3月3日(土)付
雪害対策 政府一丸で
不妊手術強制問題 首相「適切に対応する」
参院予算委で魚住、熊野氏
参院予算委員会は2日、安倍晋三首相ら全閣僚が出席して2018年度予算案の基本的質疑を行った。公明党からは魚住裕一郎参院会長と熊野正士氏が質問に立ち、中小企業の事業承継支援や豪雪への対応、教育・社会保障の充実、医療従事者の働き方改革などで政府の見解を求めた。
中小企業の後継者不足に関して魚住氏は、拡充される事業承継税制などの活用を促す観点から、「きめ細かな支援策が必要だ」と訴えた。世耕弘成経済産業相は、商工会議所などを通じて事業承継税制や補助金の周知を行うと応じた。
また魚住氏は、人手不足が深刻な建設業の担い手確保に向けた施策の重要性を訴えた。石井啓一国土交通相(公明党)は、「地域インフラの維持管理や災害対応を担う"地域の守り手"を確保する観点からも、確保に取り組む」と応じた。
大雪対策で魚住氏は、数年に一度レベルの大雨の際の「記録的短時間大雨情報」を念頭に、「きめ細かく雪の降り方に対して警報を発せるようにすべきだ」と主張。石井国交相は、同情報に相当する降雪情報を「新たに提供できないか検討したい」と述べた。
熊野氏は、地方自治体が管理する道路への融雪設備の設置促進や、農業被害への支援、政府一丸となった雪害対策の強化を求めた。安倍首相は「地方自治体と緊密に連携し、政府一体で対応に万全を期したい」と答弁した。
一方、市区町村が経済的に苦しい家庭に支給する義務教育の「就学援助」について魚住氏は、ランドセル代などの小学校入学前支給の拡大へ、自治体への働き掛けを強めるよう求めた。
旧優生保護法下の精神疾患などを理由とした不妊手術強制で国が提訴されたことを巡り、魚住氏は「救済は大きな政治課題」と指摘した。これに対し、安倍首相は「関係省庁で協議の上、適切に対応する」と表明。公明党の山口那津男代表が「議員側が幅広い理解を得た上で、救済のあり方を見いだす必要がある」と発言したことも「承知している」として「今後の動きを注意深く見守りたい」と述べた。
熊野氏は、歯科技工士の志望者が減っている現状に触れ「技工士は高齢社会の日本にとって大切な人材だ」として、処遇改善を訴えた。加藤勝信厚生労働相は、診療報酬改定や労働環境改善に向けた調査研究などにより、処遇改善を進める考えを示した。
さらに熊野氏は、医師の業務負担の軽減を主張。放射線治療専門医の育成へ、大学における同治療の講座の設置促進も提案した。