e就学援助の入学前支給

  • 2018.03.05
  • 生活/子育ての補助金・助成金
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公明新聞:2018年3月4日(日)付



答える人=中野洋昌さん 党文部科学部会副部会長(衆院議員)



経済的に厳しい家庭の子どもの就学費用を支援する「就学援助」。国の補助金交付要綱が昨年3月に改正され、ランドセル購入費などを小学校入学前に支給する自治体が増えています。公明党文部科学部会副部会長の中野洋昌衆院議員に制度のポイントを聞きました。


小学校入学前に支給する自治体が増えているの?
今春実施予定の市区町村は前年比約8倍に増加します


女性 「就学援助」って何?

中野 子どもを小中学校へ通わせることが経済的な負担になっている保護者に対し、学用品や給食などの費用を自治体が援助する制度です。生活保護が必要な「要保護者」と、それに準じて市区町村が定める「準要保護者」を合わせた140万人を超える人が受けています(2015年度)。要保護者の場合、国は費用の半額を自治体に補助しています。

ロボ 小学校の入学前に支給する自治体が増えているようですね。

中野 はい。入学前はランドセルなどを買いそろえるための、まとまったお金が必要です。就学援助にも、その準備費用のための支援がありますが、入学後に支給する自治体がほとんどでした。困窮する家庭にとっては一時的でも多額のお金を用意することは大変です。

そこで公明党は、17年3月の国会質疑で富田茂之衆院議員が支給の前倒しを強く主張。その結果、同月末に国の補助金交付要綱の対象に「就学予定者」を加える改正が行われ、それにより、今春から準要保護者も含めて、小学校入学前の支給を行う自治体が相次いでいるのです。

女性 どれぐらい増えるのかしら?

中野 文科省の調査によれば、この春に入学前支給を予定する自治体は全国で711市区町村に上り、それ以前の約8倍に上ります。

一方、中学校は改正前の要綱でも入学前支給は可能でしたが、今回の改正に合わせ、同じく入学前に支給する自治体も増えていて、それまでの約5倍に達する見通しです。


未実施の自治体に広げていくには?
条例改正や要綱の制定などが必要。公明党のネットワークで普及に取り組みます


女性 最近のランドセルの値段は高いわね。

中野 文科省の調査でも、家庭でのランドセルを含む通学用品費の支出額は上昇傾向にあり、保護者の負担は大きくなっています。

そこで就学援助の国の補助金単価も、17年4月から小学校で4万600円、中学校は4万7400円と、前年度からほぼ倍増させて対応しました。ただ、就学援助の支給額を決めるのは自治体なので、適切な支給額になることを期待しています。

ロボ 今後の課題は?

中野 今春は全国の自治体の約4割が、小学校の入学前支給を実施する予定ですが、残りの自治体は未実施です。国の要綱は改正されても、自治体で入学前支給を可能とするには、条例改正や要綱づくりなどが必要になります。

私は2月7日の衆院予算委員会でこの問題を取り上げ、市区町村の入学前支給に向けた取り組みを、国がしっかり後押しするよう訴えました。文科相も「引き続き各自治体の実施状況を調査・公表し、積極的に働き掛ける」と答弁しています。

女性 さらに広がってほしいですね。

中野 まさに国と地方で全国約3000人の議員ネットワークを持つ公明党の出番です。2月24日の全国県代表協議会でも、未実施の自治体では公明党が積極的に議会で取り上げ、行政側に対応を促す方針を確認しました。今後も普及へ全力を挙げます。

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