e18歳成人へ引き下げ
- 2018.03.14
- 情勢/解説
公明新聞:2018年3月14日(水)付
飲酒、喫煙は20歳を維持 民法改正案を閣議決定
政府 若年者支援の検討会設置
政府は13日、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案を閣議決定し、今国会に提出した。成立すれば2022年4月1日に施行される。成人年齢引き下げは、明治時代以来続く「大人」の定義を変える大改革になる。
18歳成人のポイント
一、民法の成人年齢を20歳から18歳に引き下げ
一、18、19歳で親らの同意なくローン契約や高額商品の購入が可能に
一、女性の婚姻開始年齢を16歳から18歳に引き上げ
一、飲酒、喫煙、公営ギャンブルは20歳から
一、少年法については検討継続
成人年齢の引き下げにより、18、19歳でも経済的に自立している場合は、法定代理人の親らの同意なくローンやクレジットカードの契約が可能となる。
若者の消費者トラブル増加が懸念されるため、政府は既に、不安をあおるなどの不当な契約は成人でも取り消せる規定を追加した消費者契約法改正案を提出している。
10年有効な旅券(パスポート)の取得可能年齢や、性同一性障がいの人が家庭裁判所に性別変更の審判を請求できる年齢も18歳に引き下げる。一方、女性の結婚開始年齢は現行の16歳から18歳に引き上げ、男女で統一する。
飲酒や喫煙、公営ギャンブルの解禁年齢は現行の20歳を維持。健康被害や依存症への根強い懸念を踏まえた。それぞれの根拠法にある「未成年者」の文言を「20歳未満の者」に改める。
一方、少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げるかどうかについては、法制審議会(法相の諮問機関)が引き続き議論する。
政府はまた、公明党の主張も踏まえ、4月にも法相を議長とした省庁横断の「環境整備に関する検討会(仮称)」を立ち上げる。文部科学、厚生労働両省や消費者庁の局長級で構成し、消費者保護や若年者の自立支援、成人式のあり方など各分野での対応策を詰める。
法制審は09年、主要先進国を中心に「18歳成人」が世界的な潮流になっていることや、若者の政治への参加意欲を高めるため、成人年齢を18歳に引き下げるよう答申。15年には公職選挙法が改正され、選挙権年齢が18歳となっている。
民法改正案の閣議決定を受け、公明党の山口那津男代表は13日の記者会見で、成人年齢引き下げに伴う若者の消費者保護の必要性を指摘し、「社会人として、ふさわしい基礎的な力を身に付ける教育が必要だ」と強調した。