e産後の不安解消に効果
- 2018.03.26
- 生活/子育ての補助金・助成金
公明新聞:2018年3月26日(月)付
大阪府の3市3町 広域事業拡充
健康診査 助成額を引き上げ
ケア事業 宿泊でサポートも
産後うつの予防を目的に、大阪府南部の泉佐野市、泉南市、阪南市と熊取町、田尻町、岬町の3市3町は、行政の枠を超え実施してきた産婦健康診査費用の助成と産後ケアを2018年度から拡充する。各市町の予算案に事業費が盛り込まれたのを受け、公明党の山本香苗参院議員はこのほど、地元の女性議員と共に拠点となる産婦人科専門の谷口病院(泉佐野市)を訪れ、同病院の谷口武理事長と意見を交わした。
うつ病質問票(EPDS)活用
産後うつは、出産直後の母親が育児への不安などから起こる病で、子どもへの虐待や育児放棄の一因になるといわれる。
こうしたことを防ごうと、泉佐野市など3市3町は2016年度から、広域で産後2週間前後の健診費の助成(上限3000円)や母親の心身を日帰りでケアする「産後2週間サポート事業」を行ってきた。
これに対し、18年度からは「産婦健康診査事業」と「産後ケア事業」の二つに分けて拡充。産婦健康診査事業では、健診費の助成額の上限を5000円に引き上げ、出産後2週間前後と1カ月前後の2回分を助成する。健診は、これまでの問診や血圧測定、尿検査に加え、産後うつ病のリスク度の判定に役立つ「エジンバラ産後うつ病質問票」(EPDS)を活用したスクリーニング(検査)も実施する。
一方、産後ケア事業では、産後に受けた各回の健診により支援が必要と判断された産婦に対し、日帰りだけでなく、宿泊も含めた心身のケアや育児のサポートを医療機関で実施するという。
過去2年間実施してきた産後2週間サポート事業の評価検討ワーキングチームが行ったアンケート調査によると、事業を利用した産婦のうち88%が「不安が減った」と回答。さらに、「一番不安な時期に対応してもらえた」との声もあり、95%の産婦から事業が「役に立った」と評価されるなど、事業の成果が表れている。
谷口理事長は「大阪府内において広域で産婦のサポートをしているところは他になく、調査通り、母親の安心感が高まっている」と説明。片や、一般的にEPDSで注意が必要とされる人の割合は10%超と多く、いかに精神科や行政と連携していくかが今後の課題だと指摘した。
山本さんは「問題が見つかった場合、しっかりとフォローできる体制の整備が重要」と語っていた。
健診費の助成と産後ケアの拡充については、各議会で公明議員が質疑を通し、要望してきた。