e乳児用液体ミルクの普及へ

  • 2018.04.03
  • 生活/生活情報

公明新聞:2018年4月3日(火)付



公明、一貫して推進
厚労省が規格基準案
災害用備蓄としても活用可能



熊本地震などの被災地で活用され、普及を望む声が多い乳児用液体ミルクが、国内で製造・販売できる見通しとなりました。液体ミルクの概要や公明党の取り組みについて、党員の公恵さんと明子さんが友人の友美さんに語っています。


公恵 厚生労働省は3月12日に開いた薬事・食品衛生審議会分科会の合同部会で、乳児用液体ミルクの規格基準案を決めました。国内での製造・販売に向けた動きが進んでいます。

友美 乳児用液体ミルクって何かしら?

明子 乳児に必要な栄養が含まれた液体状の乳製品よ。常温で保存ができるわ。ふたを開けて吸い口を装着すればすぐに飲めるものもあるのよ。

公恵 粉ミルクと違って、お湯で溶かす必要がありません。このため、水や、水を沸かすための燃料の確保が難しい災害時に有効活用できます。

明子 熊本地震の発生時には、哺乳瓶の消毒や調乳が困難な状況があったわ。その時、フィンランドから救援物資として液体ミルクが届けられ、母親たちに喜ばれたのよ。

友美 そんな便利なものがあるのね。でもまだ見たことがないわ。

公恵 海外では粉ミルクと同じように普及していますが、国内では製造・販売しているメーカーがありません。

友美 どうして?

明子 日本の乳児用粉ミルクは、食品衛生法に基づく「乳等省令」で成分の規格が決められているわ。でも、液体ミルクの成分規格はないの。安全性を担保する基準がないために、企業が製造・販売できなかったのよ。

友美 被災地で役立ったのなら、国内でも広がってほしいわ。

公恵 そうした関心の高まりもあり、政府は流通に向けた議論を進行。3月12日に開かれた厚労省の合同部会で、規格基準の案が決まったのです。

友美 どういうことが決められたの?

明子 厚労省は、液体ミルクを「調製液状乳」と定義。粉ミルクに当たる「調製粉乳」や、常温で保存できる製品も存在する「乳飲料」の規格基準に準じる形で、細菌数や容器包装などの規格基準案を決めたわ。

公恵 基準作成のために業界団体の日本乳業協会が厚労省に提出したデータでは、加熱殺菌後の液体ミルクを缶やレトルトパウチ、紙パックで長期間、常温で保存した結果として、微生物や細菌などが確認されず、乳幼児に必要な栄養素も残ることが示されました。賞味期限は缶やレトルトパウチで9~12カ月、紙パックで6カ月を想定しています。

友美 これで液体ミルクが作られるようになるの?

明子 まだ必要なプロセスがあるの。今後、厚労省は国の食品安全委員会の健康影響評価や意見公募(パブリックコメント)を経て、省令を改正し、規格基準を定めるわ。

公恵 また、乳児の発達に適した「特別用途食品」として表示するための許可基準の作成を消費者庁が進めています。

友美 店頭で販売されるのはいつ頃になるの?

公恵 年内に省令が改正されても、その後、製品の賞味期限と同じ期間、試験する必要があるため、店頭に並ぶのはまだ先になりそうです。


党女性委も取り組み


明子 公明党は2017年2月に女性委員会(委員長=古屋範子副代表)の子ども・若者支援プロジェクトチーム(PT、座長=佐々木さやか参院議員)が普及に向けた政府との意見交換を行うとともに、同3月の参院予算委員会で佐々木さんが、早期解禁・普及や災害用備蓄としての積極的な活用を主張。同6月に政府が取りまとめた「女性活躍加速のための重点方針」には、「製品化の後押しに向けた取り組みを継続的に実施する」と明記されたわ。

公恵 さらに、先月20日にもPTが会合を開き、関係省庁と意見交換しました。会合で佐々木さんは、「防災の観点からも重要。安全性を大前提にして、後押ししていきたい」と話しました。

友美 しっかりと取り組んでいるのね。

明子 地方議員も、議会質問で液体ミルクを取り上げているわ。古屋委員長は「国と地方のネットワークを生かし、基準づくりから、実際に自治体に備蓄されるまで、推進していきたい」と話しているの。

友美 安全・安心の子育てを進める公明党に期待するわ。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ