e100万人訪問・調査運動 4テーマのポイント解説(下)
- 2018.04.03
- 情勢/解説
公明新聞:2018年4月3日(火)付
中小企業
背景 経営者の高齢化顕著 後継者不足への対応が急務
国内企業数の99.7%を占め、全労働者の約7割が働く中小企業は、地域経済を支えている"屋台骨"です。
多くの中小企業は今、経営者の高齢化と後継者不足に直面しています。中小企業庁の分析では、2025年までに中小企業・小規模事業者の6割を超える約245万社で、経営者が平均引退年齢に当たる70歳を超え、その約半数の127万社で、後継者が決まっていません。事業承継の対応は待ったなしです。
このほか、人手不足や資金繰り、生産性向上への設備投資、業務改善に向けた取り組みなど、さまざまな課題を抱えている経営者も少なくありません。中小企業へのアンケートを通じ、経営者の生の声を聞くとともに、公明党が作成した「中小企業応援ブック」を活用し、支援制度への理解と周知を進めていきます。
実績
事業承継支援を充実 固定資産税、最大3年間ゼロ
公明党は、予算や税制を通じて、中小企業の支援策を実現してきました。
2018年度予算・税制改正関連法では、事業承継支援策を充実。承継税制を抜本的に拡充し、今後10年間、株式の相続税・贈与税について、雇用要件の見直しや対象株式の上限撤廃などを図るとともに、承継時の納税を全額猶予し、承継時と売却・廃業時の納税額の差額を免除することになりました。
また、従業員の給与を引き上げた企業に対し、法人税を減税する「所得拡大促進税制」を3年間限定で拡充しました。
「生産性向上に向けて設備投資をしたいけど踏み切れない」。こうした悩みに対応するため、18年度からの3年間、新たな設備投資に対する固定資産税の税率を2分の1から、市町村の判断で最大ゼロにできる制度を創設しました。
併せて国は固定資産税をゼロにした市町村には、試作品やサービス開発などを後押しする「ものづくり補助金」や、業務効率化を進める「IT(情報技術)導入補助金」を重点的に配分する方針です。
このほか、下請け取引や裁判外紛争の解決手続きなどの相談に応じる窓口や、中小企業の経営課題にワンストップ(1カ所)で専門家が相談に応じる「よろず支援拠点」は、全ての都道府県にそれぞれ設置されており、好評です。
防災・減災
背景 想定外の災害頻発 道路・橋などインフラ老朽化進む
近年、大規模な自然災害や異常気象が頻発し、各地で甚大な被害が出ています。
こうした災害から国民の命や財産を守るには、安全・安心の国土の形成に向け、地域の特性に合った防災・減災対策を強化する必要があります。
また、高度経済成長期に整備された橋や道路、上下水道など多くのインフラ(社会資本)が、耐用年数を迎えつつあります。例えば、建設後50年以上経過した道路橋の割合は2012年度は18%でしたが、32年度には67%と加速度的に増えることが指摘されています。
莫大な費用を必要とするインフラの維持管理、老朽化対策をどのように進めていくのかも大きな課題です。
防災・減災アンケートでは、自然災害への備えを強化するため、地域の危険箇所や行政に求める対策などを聞きます。
実績
安全交付金で対策推進 ハード・ソフト両面から強化
公明党は、東日本大震災の教訓から「防災・減災ニューディール」を掲げ、「命を守る公共事業」の重要性を訴えてきました。
2013年12月には、公明党がリードし「防災・減災等に資する国土強靱化基本法」が成立。全国各地でインフラを総点検し、優先度の高い順に対策を進める流れを定着させました。
厳しい財政事情を抱える地方自治体の老朽化対策などを支援するため、12年度補正予算で「防災・安全交付金」を創設しました。同交付金は、13年度以降は毎年度1兆円超の予算を確保。事前防災・減災対策が充実し、インフラの老朽化対策が計画的に進められています。
こうしたハード対策とともに、防災教育やハザードマップ(被害予測地図)の作成といった住民目線のソフト対策も後押ししています。
昨年は九州北部豪雨や台風21号などの局地的豪雨により、都道府県が管理する中小河川が氾濫し、多くの被害が発生しました。そこで17年度補正予算では、優先的に対策が必要な中小河川に対し、土砂・流木対策や水位計の設置などが進められることになりました。
災害時には近隣住民の避難所となる公立小中学校の建物本体の耐震化率は、公明党の推進により、100%近くまで進んでいます。