eコラム「北斗七星」
- 2018.04.05
- 情勢/社会
公明新聞:2018年4月5日(木)付
年間3000万人に近づいた訪日外国人観光客。日本国内での延べ宿泊者数は昨年7800万人泊となり、順調に数字を伸ばしている。都道府県別では、前年比の伸び率上位を、青森60%、大分59%など、三大都市圏以外の県が占めた◆中でも目を引くのは、青森を筆頭とした東北の伸び。6県合わせて初めて年間100万人を超えた。その平均伸び率40%超。福島、秋田もようやく東日本大震災以前を上回った◆震災前の2010年と比べると、全国平均2.8倍に対して、東北1.8倍にとどまっている。とはいえ、青森の4倍という成果は、観光面での明るいきざしを感じさせる◆大きく伸びた地域に共通するのは、地域の"売り"のポイントとアピールする相手国・地域を明確にすること。そして、相手の旅行業者やメディアに積極的に働きかけること。今やブログなどネット上での発信も影響力を発揮。大分のように韓国人ブロガーを招いて情報発信を進めた例もある◆観光庁の調査によれば、回数多く訪れているリピーターほど、三大都市圏以外を訪れる割合が増える。リピーターの数も増え続け、地方のチャンスは膨らんでいるといえる。どのようにそのチャンスを地元に引き寄せるのか。官民挙げての柔軟で、きめ細かな取り組みが求められている。(繁)