e災害時「応援職員確保システム」

  • 2018.04.05
  • エンターテイメント/情報
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公明新聞:2018年4月5日(木)付



生活再建 一刻も早く
対口支援 迅速な派遣が可能に



大規模災害時に迅速な応援職員の派遣を可能にする「被災市区町村応援職員確保システム」の運用が3月から開始された。被災自治体と支援自治体の組み合わせを事前に決める「対口」支援方式などを取り入れ、被災地の一刻も早い生活再建をめざす。公明党が東日本大震災や熊本地震などの災害を教訓に訴えてきた。


3月から 避難所運営、罹災証明交付など円滑化


大規模災害が発生すると、被災自治体は避難所の運営や罹災証明の交付など災害対応業務が膨大になる。被災自治体の職員だけでは人員が圧倒的に不足し、被災住民の生活再建を円滑に進めるためには、短期間に集中的な職員の応援が欠かせない。

同システムは、総務省や全国知事会、指定都市市長会などが「応援職員確保調整本部」として司令塔機能を果たすのが特徴。これにより、支援の遅れや偏りがないように効果的なペアを決定し、早期に応援職員の派遣につなげる。

このほか、総務省は4月から災害対応の経験を持つ幹部職員を「災害マネジメント総括支援員」として登録。定期的に消防庁で最新の災害対応事例を学ぶ研修を実施するなど、"災害対応のプロ"として養成していく。対口支援に伴い総括支援員も現地に派遣され、被災自治体の首長を補佐する役割を担う。

昨年5月の参院決算委員会では、公明党の河野義博参院議員が災害時の応援職員派遣に関して「マンパワー不足が復旧・復興に向けて大きなハードルになる。プッシュ型の支援で総務省が陣頭指揮を取ってもらいたい」と迫った。これに対し、高市早苗総務相(当時)は「全国的な応援職員派遣を行う仕組みというものを構築したい」と応じた。


「対口」支援方式


中国語でペアを組ませるという意味。2008年に中国で起きた四川大地震では、中国政府が被災自治体と非被災自治体をペアにして復興に取り組む支援策として実施。日本でも、東日本大震災で関西広域連合の加盟府県が被災地を分担して支援に当たるなど実施例がある。

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