eあす熊本地震2年 急がれる恒久的住まいの確保
- 2018.04.13
- 情勢/解説
公明新聞:2018年4月13日(金)付
熊本地震の発生から、あすで2年を迎える。「もう」よりは「まだ」「やっと」の方が、被災者の心情を表す言葉として、ふさわしいのではないだろうか。
今も応急仮設住宅や、みなし仮設住宅などに身を寄せる被災者は約3万9000人に及ぶ。昨年5月の最大約4万8000人から2割ほどの減少でしかなく、仮設住宅を出た後の恒久的な住まいの確保が喫緊の課題になっている。
資金不足のみならず、持病の悪化や親族の介護など被災者が抱える事情はさまざま。自宅を再建すべきか否か、家族間で意見が対立する場合もあろう。宅地の安全確保や集落再建の見通しが立たないことも決断を妨げている。
早い人でこの4、5月から仮設住宅の入居期限である2年が迫る。県や市町村には、条件付きで認められる1年間の延長を含め、個別の事情に目配りした柔軟な対応を強く望みたい。
災害公営住宅(復興住宅)の建設も急がれる。
現在、県内12市町村が建設を予定する1735戸のうち、これまで設計や建設に着手できたのは約6割。完成予定時期が判明しているものは2割に満たない。このうち最も早い西原村57戸の完成でさえ今年7月だ。難航する用地確保や業者の入札不調などで、来春以降に完成時期がずれ込むものも少なくない。
住民の不安を少しでも和らげるため、行政は途中経過であっても丁寧な説明を重ねてほしい。
長引く仮設暮らしが被災者の心身に及ぼす影響にも目を向ける必要がある。
「運動しなくなった」「レトルト食が増えた」などの声をよく聞く。飲酒量が増えた人もいる。7年が経過した東日本大震災では、今もなお、ひきこもりや孤独死が絶えない。行政やボランティアによる戸別訪問や相談体制の強化と併せ、国による長期的な視点に立った支援が欠かせない。
公明党は先日、熊本市内で熊本県復興会議を開き、復興加速への決意を新たにした。「『大衆とともに』の立党精神を燃やし、被災者に寄り添い続けていく。『心の復興』『人間の復興』が成し遂げられる、その日まで」(山口那津男代表)との強い覚悟で。