e就労支援を在宅で 通所できない人に訓練の機会
- 2018.05.01
- 生活/生活情報
公明新聞:2018年4月28日(土)付
大分市
今月2日、大分市内に住む女性(40)は、在宅就労の知識や技術を身に付ける約2年間のプログラムを始めた。この日は、プログラムを提供する「在宅就労支援事業団」(田中良明理事長)から説明を受けて試験の採点作業を体験。女性は「慣れるまでは不安。でも面白い」と笑顔を見せた。
この女性は中学3年生のころ、手足の痺れや筋力の低下が起こる難病「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」を発症。高校卒業後は就職したが、病状が悪化し1年で退職した。働いたのはこの一度きり。働きたい思いはあったが、物をうまく持てない、歩けないなどの症状で、通勤は難しい。一方、在宅就労のため訓練を受けるには、施設への通所が大きな壁だった。
昨年冬に転機は訪れた。在宅就労への支援を自宅で受けられる場合があると知った。母親と親交のある公明党の川邉浩子市議からの連絡だった。事業団への視察や議会質問を通し、在宅就労の支援に取り組んでいた川邉市議。「できることがあれば頑張りたい」との女性の声を受け、事業団と連携。市障害福祉課へ相談し、在宅での就労支援が認められた。
「社会に参加することが現実味を帯びてきてうれしい」と母親。約20年ぶりの"仕事"に取り組む娘の姿を、目を細めて見つめていた。