eコラム「北斗七星」
- 2018.05.01
- 情勢/社会
公明新聞:2018年5月1日(火)付
1886年5月1日、アメリカのシカゴで労働者による大規模なストライキがあった。1日に12時間から14時間の勤務が当たり前だった当時、8時間労働の実現を求めたものだ。この日が後に、労働者の権利を主張する「メーデー」として世界に広がった◆130年余りを経て、日本の国会で長時間労働の是正を柱とする働き方改革関連法案が審議入りした。過労自殺の悲劇が契機となった法案だ。日本労働組合総連合会(連合)の要望も反映されている。今国会で成立を期したい◆ところが、麻生太郎財務相の辞任などを求めて、立憲民主、希望、共産など野党6党が国会審議を拒否している。確かに、財務省の文書改ざん問題をはじめ行政の不祥事が相次いでおり、政府に説明責任があることは言うまでもない◆しかし、真相解明や責任追及は国会で行うべきではないか。マスコミ各紙も「麻生氏が辞任しないのを審議拒否の理由にする野党の対応も疑問」(毎日)、「国会運営の責任を与党に押しつけるような態度は、抵抗野党との批判を免れまい」(読売)と指摘している◆野党は「合同ヒアリング」という非公式な場に官僚を呼び出して追及しているが、支持率の上昇にはつながっていない。国民の理解も得られない"ストライキ"は速やかに止めるべきである。(幸)