e人権、平和の理念守る 核軍縮へ協調リード
- 2018.05.07
- 情勢/解説
公明新聞:2018年5月3日(木)付
公明が憲法記念日街頭 山口代表、井上幹事長ら強調
3日の憲法記念日を前に、公明党は2日、全国各地で街頭演説会を開いた。山口那津男代表は、現行憲法について、「戦後の日本の発展を担う重要な役割を果たしてきた。『国民主権』『基本的人権の尊重』『恒久平和主義』の3原理は堅持していくべきだ」と力説した。また、憲法が掲げる国際協調主義に基づき、日本が核軍縮の取り組みをリードしていくべきだと主張。北朝鮮問題に関しても、先日の南北首脳会談の結果を踏まえ、北朝鮮の非核化を実現するため、国際社会と緊密に連携していくべきだと訴えた。=2面に党アピールと関連記事
■北の非核化 緊密な連携で実現
東京・新宿駅西口の街頭演説会で山口代表は、3原理の中で基本的人権の尊重が最も重要だと述べ、「人権を最も損なうのが災害であり、その最たるものが人災である戦争だ。戦争を放棄し、起こらないようにしないといけない」と強調。また、「自然災害を最小限に防ぐことも憲法が求める重要な方向性だ」と指摘した。
核軍縮に向けては、国連で採択された核兵器禁止条約を巡って核保有国と非保有国の対立が生じたことに言及。これを踏まえ、核保有国と非保有国、中立的な立場の国の有識者らが核軍縮の進め方を議論する「賢人会議」を日本が主催するなど「現実的な営みがなければ、具体的な核軍縮が進むことは期待できない」と語った。
北朝鮮の非核化に向けては、「日本など関係国が緊密に連携し、北朝鮮の完全かつ不可逆的、検証可能な非核化を実現させないといけない」と指摘。その上で、現行憲法に国際協調主義が盛り込まれている点に触れ、国際社会のさまざまな枠組みを活用して連携を深めていくべきだと訴えた。
旧優生保護法下で知的障がい者らが不妊手術を強制された問題に対しては、「実態の調査が重要だ。強要された人がいるとすれば、救済のあり方をつくらないといけない」と述べ、基本的人権を守るためにも救済策などについて議論を進めていく考えを示した。
財務省による決裁文書の改ざんや自衛隊の日報など公文書管理を巡る問題では、行政情報の公開が国民主権の基盤になることから、「二度と起こらないよう公文書を管理し、必要最小限以外のものは公開を原則にすべきだ」と述べた。
街頭演説会には、太田昭宏全国議員団会議議長、高木陽介、高木美智代の両衆院議員、竹谷とし子参院議員らが出席した。
一方、井上義久幹事長は、仙台市内で開催された党宮城県本部(代表=庄子賢一県議)の街頭演説会に出席し、「憲法の幸福追求権と生存権の理念に基づき、『人間の復興』を進めていく」と決意を述べた。
井上幹事長は、党東日本大震災復興加速化本部が3、4月に岩手、宮城、福島の3県を視察した模様を紹介。インフラや住宅再建は着実に進む一方で、7万人が避難を余儀なくされている現状に触れ、「復興はハード面からコミュニティーの再生などソフト面に軸足を移していく必要がある」と力説した。
また、党の「100万人訪問・調査」運動に言及し、「公明党は国民の声を聞き、国民の合意の中で課題解決に取り組む」と訴えた。