eコラム「北斗七星」

  • 2018.05.14
  • 情勢/社会

2018年5月12日



「人間は夢を持ち前へ歩き続ける限り、余生はいらない」。江戸時代、地球1周分に相当する約4万キロを実測し、初の日本地図を製作した伊能忠敬。没後200年の祥月を迎え、改めてその偉業に注目が集まる◆不遇な幼少年時代を経て、他家の養子、傾いた家の復興を果たし測量を学び始めたのは50歳。隠居の年齢になって数学や天文学を学ぶため、年下の学者に弟子入りをする。「人生100年時代」の到来で活躍する人材の高齢化などを考えれば、晩熟の先達が残したとされる冒頭の言葉は、長寿社会へのエールとみるべきか◆現在の地図と比べても驚くほど正確な通称「伊能図」は、歩測に加え導線測量、天体観測などを用いた◆科学的な近代地図に目を奪われがちだが、天明の大飢饉では村民の救済などに尽力。直面する問題には自発的に責任を持ち出かけ解決する。こうした行動が、「地域における"公共精神"に昇華していた」(童門冬二著『伊能忠敬 日本を測量した男』、河出書房新社)とも◆公明党は「100万人訪問・調査」運動(4~6月)の真っただ中。この期間をマラソンに例えるとちょうど折り返し地点へ。粘り強く地域に足を運び、切実な要望や不安の声に耳を傾けていく。「現場第一主義」に徹し政治を動かす中にこそ党の存在意義は輝きを増す。(照)

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