e悪徳商法から若者守る
- 2018.05.14
- 情勢/解説
2018年5月12日
濱村氏「18歳成人」で被害拡大防げ
消費者契約法改正案
社会経験の少ない若者を不当な契約から守るための消費者契約法改正案が、11日の衆院本会議で審議入りした。公明党の濱村進氏が質問に立った。
同改正案は、成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案に関連するもの。社会生活上の経験が乏しいことを要件に、進学や就職などの不安をあおる告知、恋愛感情につけ込んだ勧誘を、契約の取り消しが可能な勧誘行為の対象に追加した。
濱村氏は、未成年が親の同意なく締結した契約について、未成年の取り消し権が民法上に規定されていることに言及し、「権利を行使できていた世代が悪質な事業者によって狙い撃ちにされ、消費者被害が増えることがあってはならない」と訴えた。
福井照消費者担当相は、「成人年齢の引き下げで18、19歳の消費者被害が拡大する恐れがあるとの指摘がある」として、20代の若者に多く見られる相談情報の分析結果を踏まえて改正案を作成したと述べた。
また、濱村氏は、社会生活上の経験に乏しいという要件が若者だけに該当するのかとただした。
福井担当相は「高齢者であっても要件に該当する場合がある」と答えた。
より実効性ある教育を
国重氏
11日の衆院法務委員会で公明党の国重徹氏は、成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案について質問し、成人年齢の引き下げにより、18、19歳の若者が悪徳商法の被害に遭う危険が高まることを指摘。学校現場での消費者教育について「より実効性ある取り組みを進めることが大切」と訴えた。
国重氏は、消費者教育の充実に関して、消費生活相談員や弁護士など実務経験者を外部講師として活用するため、自治体への政府の支援策をただした。
消費者庁は、「全都道府県での消費者教育コーディネーターの配置に向けた支援に取り組む」として、地方消費者行政強化交付金で自治体をサポートする考えを述べた。